古民家前に謎の“白い箱”…。サイ果ての漁村からエチオピアに届ける「ヒカリ」とは? 青森県佐井村
RAB青森放送
アフリカに電力をと佐井村の地域商社が立ち上がりました。 蓄電装置を開発しエチオピアで電力の供給について提案するなど活動が本格化しています。 ことし8月佐井村で古民家を再生した交流拠点「カネシチ+」の前に、白い箱状のものが設置されました。 ★コメイチ 奥本太朗代表 「こちらが今回『ヒカリを世界へ届ける』というプロジェクトの一環でできた『SAI-KORO』という商品になります」 SAI-KOROは太陽光で発電した電気をためておくことができる装置で、村の地域商社「コメイチ」の奥本太朗代表が東京のコンサルティング会社「PoC TECH」の協力を得て開発しました。 潮風による塩害や雪、高温などの厳しい環境に耐えられるよう設計されています。 開発のきっかけは、環境問題などに取り組み持続可能な社会の実現に向けたSDGsを会社として宣言したことでした。 ★コメイチ 奥本太朗代表 「世界で7億人がまだ電力を使えていない暮らしをしている、そういう衝撃的なことを知りまして、私たちでもそういう問題を解決できないかという思いが商品を作るきっかけとなりました」 奥本さんは電気のない暮らしをする、さまざまな地域でSAI-KOROを展開しようと考えています。 村の協力などを受け奥本さんは9月中旬の7日間エチオピアを訪問しました。 奥本さんによると、エチオピアは国内のおよそ4割の地域で電気が使えない暮らしをしているということです。 ★コメイチ 奥本太朗代表 「人がみんなスコップ・ツルハシで工事現場を支えている とにかく人がたくさんいる それも若い人がいて活気のある これからまだまだ伸びるんだろうなという潜在的なものを感じてきたところです」 奥本さんは佐井村の太田村長たちとエチオピアの省庁を訪問し、電力供給の概要を提案しました。 ★佐井村 太田直樹村長 「そのぐらいの電力(SAI-KORO)を必要としている企業もたくさんいるということを聞いたので、事業としても需要があるので可能性があるのかなと」 「困っている人たちのところに光を届けるというところまで村としても最後まで応援したいとそう思います」 先月12日には脱炭素をテーマにしたフォーラムが開かれ、奥本さんは集まった村民たちを前に取り組みを紹介しました。 ★コメイチ 奥本太朗代表 「佐井村のように小さい村なんだけども、そういったグローバルな目線で問題解決をしていくということをまわりから見て、なんか勇気をもらったりとか自分たちもやってやろうとかそういう思いになってくれたらいいなとそう思っています」 公共施設の電力を再生可能エネルギーに切り替えるなどして、去年から脱炭素化に取り組む環境省のモデル地域の1つにも選ばれている佐井村。 村民の温かい気持ちをエネルギーとして世界に分け合う取り組みが始まっています。