別海4強一番乗り 春季全道高校野球釧根支部予選
高校野球の第63回春季北海道大会釧根支部予選大会(道高野連など主催)は2日目の8日、ウインドヒルひがし北海道スタジアムで準々決勝2試合を行った。第1試合では別海が釧湖陵を10─6、第2試合では武修館が釧北陽を12─6でそれぞれ下した。大会3日目の9日は、第1試合で釧江南─釧明輝、中標津─釧工業の準々決勝2試合を行い、4強が出そろう。 ▽準々決勝 別 海 005010031│10 210101100│6 釧湖陵 (別)堺、金澤─中道 (湖)川崎、竹内─大森 ▽本塁打 鎌田(別) ▽三塁打 上野(湖) ▽二塁打 波岡、金澤(別)、大森(湖) 別海が打撃戦を制し、初戦突破。点の取り合いとなり同点で迎えた八回、7番堺暖が左前打で出塁、8番金澤も右越え二塁打で続き、無死二、三塁とした。2者続けて倒れたが、二番鎌田がフルカウントからの6球目を強振。中堅手を襲う強打が、ランニング3点本塁打となり、勝ち越した。投げては先発堺暖が試合をつくり、七回から登板した二番手金澤も自責点ゼロの好投を見せ、白星をつかんだ。 釧湖陵は二回までに3点先行したが、三回に相手打線につかまり逆転を許した。一時、同点としたが、好機で快音が響かず、力尽きた。 八回、鎌田決勝ランニング弾 ○…選抜甲子園帰りの別海が苦しめられながらも、終盤に貫禄を見せて4強一番乗り。主戦堺暖貴(3年)が六回を投げて5失点と本調子ではなく、七回は失策で同点に追い付かれるなど、島影隆啓監督は「完全な負けゲームだった」。 そんな嫌な流れを払拭(ふっしょく)したのが鎌田侑寿紀(2年)だった。試合が振り出しに戻った後の八回、二死2、三塁の場面で打順が巡り「無死二、三塁から凡退が続いて回ってきたが緊張はなかった。絶対に打てると思った」。フルカウントからの6球目、外角高めの直球をはじき返すと、打球は中堅手の頭上を越えていった。快足を飛ばして塁上を駆けると、三塁ベースも迷わず蹴り、自身も生還。勝負を決定づける殊勲打となった。「今まで公式戦であまり打ったことがなかったので自信になったし、めちゃくちゃ気持ちよかった」と笑顔で振り返った。 決勝進出を懸けた次戦に向けては「今回はホームランの前の2打席が凡退だったので、全打席の内容を良くしてもっと貢献したい」。公式戦第1号を放った勢いそのまま大暴れするつもりだ。 釧湖陵粘り及ばず ○…先制したほか、逆転されても粘りを見せ、一度は追い付いた釧湖陵。大森幹太主将(3年)は「記 録的にエラーは0だったが、アウトにできるとこ ろでアウトにできないこ とが多かった」と敗因を語る。 結果的に敗れはしたが、現在の釧根支部を代表する別海相手に互角以上の戦いを繰り広げ「野球が上手で、人としても素晴らしい選抜に行ったチームと良い試合ができたことを夏につなげたい。間違いなく強くなっているので、細かいところを修正して甲子園を目指す」。敗戦を自信に変え、聖地を目指す。
釧路新聞