【フォトルポ】発生から1ヵ月…能登大地震「土砂ダムから水が溢れ村も畑もぬかるむ」壮絶な捜索現場
木製の板で泥をかきよけ、バケツリレーで土砂を取り除いていく――。 能登半島大地震発生から1ヵ月余り。現地では、いまだに懸命の捜索活動が続いている。本誌記者が見たのは壮絶な現場だ。石川県北部の輪島市市ノ瀬町で展開していたのは、全国各地の警察や国土交通省の広域救助隊。ぬかるみに足をとられ苦闘しながら、行方不明になっている50代の男性を探していた。 【フォトルポ】木の板で泥をはきバケツリレー…能登大地震「壮絶すぎる捜索現場」写真 「このあたりでは、地震により大規模な地滑りが起きたんです。土砂により川がせき止められ、溢れ出た水が集落や田畑に流れ込み滝のようになっています。泥のようになった土地が、捜索を難航させているんです」(捜索関係者) 行方不明になっている男性の実家は、溢れ出た水や土砂により元の場所から100m近く下流地点まで流されてしまった。家は跡形もない……。 川をせき止める『土砂ダム』が決壊すれば二次災害を招き、さらに甚大な被害を及ぼすだろう。現地では、大型の土嚢を積み重ね二次災害を防ぐ作業が急ピッチで進められている。 「兵庫や大阪の警察など、100人以上が人海戦術で捜索を続けています。災害救助犬も導入。家が流されたあたりの土砂を重機ですくいあげ、隊員がバケツリレーで運び出しているんです」(同前) 過酷な状況でも石川県の人々は力強く立ち上がろうとしている。カレーチェーン『ゴーゴーカレー』輪島店は、被災者へカレーの炊き出しを用意。輪島と金沢間では被災者のために定期バスの運行を再開している。被災地の人々は、復興へ向け少しずつ歩みを進めているのだ。
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