不登校の子支援、メタバースに学びの場…対面に苦手意識を持つ児童生徒の受け皿に
不登校の子どもの学びを支援しようと、京都市はインターネットの仮想空間「メタバース」内に<居場所>を作った。講師から伝統文化や外国語を学ぶ授業が受けられるほか、参加者同士で交流もでき、在籍校の学校長が出席扱いにするかを判断する。(相間美菜子)
市はこれまで対面を基本に、「学びの多様化学校」(洛風中、洛友中)や教育支援センター「ふれあいの杜(もり)」などの施設で不登校児を支援してきた。しかし対面での会話に苦手意識を持つ子どももおり、オンラインの場でも受け皿を作ろうと、自宅から参加できる事業を企画した。
「オンライン居場所」と名付け、市内の児童生徒から参加者を募っている。参加者はメタバース上で自作のアバターを操作する。市は生徒の在籍校に、事業への参加状況などを記したリポートを送付する。
10月から行った試行実施では、小学4年~中学3年の計46人が参加。そのうち20人が継続的に取り組み、なかには対面で行われた市青少年科学センターでの課外学習に参加した子どももいたという。
市は、将来的には対面での支援や登校につなげたい考えだ。松井孝治市長は「誰も取り残さない教育を目指し、対応を強化していきたい」と話している。
実施日時は来年1月8日~3月12日の水曜午後1時~3時。臨床心理士による保護者相談も行う。定員は約40人で、参加希望者は2月末までに在籍校へ。参加無料。
市内の小中学校の不登校児童生徒数は2021年度に2022人だったが、23年度には3151人と、年々増加傾向にある。