パリ五輪で旗手務めるブレイキン半井重幸「今大会を最高のものにするために全力」
パリ五輪では日本選手団の主将が廃止され、旗手の重みは増したに違いない。パリ五輪で初採用されるブレイキンから旗手に選ばれた半井重幸(ダンサー名・SHIGEKIX)=第一生命保険=は、5日の結団式で「今大会を最高なものにするために全力を尽くします」と決意を述べた。金メダルを目指す競技者ながら、自らも五輪を盛り上げる一員と位置付けるダンサーらしい言葉だった。 自らが踊る理由を「ブレイキンに触れた人の人生を豊かにする」と語る第一人者。7歳でダンスをはじめ、14歳でプロダンサーに。パリでの実施が決まる前から、界隈で知られた存在だった。 鍛え上げた体を基礎に、激しい動きの最中でもピタリと体を止める「フリーズ」が代名詞。世界選手権は2022年が銀メダル、23年は銅メダルに輝いた。パリ五輪でも金メダル候補の一角に挙げられる。 過去、選手団の主将や旗手は陸上競技や競泳など伝統競技から選ばれるケースが多かった。日本選手団の「顔」を都市型スポーツから抜擢したことに、新たな時代を感じさせる。 旗手の大役に「ブレイキンが認められた気持ちになった」と語る22歳。「ブレイキンの選手に旗手をお願いしてよかったと思ってもらえるように」。そんな決意を胸に、セーヌ川で団旗を掲げる。(石原颯)