『光る君へ』藤原定子への思いを捨てきれない一条天皇、相手にしてもらえない女御たちの憂鬱
■ 初登場となった居貞親王と敦明親王とは? 長徳2(996)年12月、定子は脩子(しゅうし)を無事に出産。ドラマでは、一条天皇と定子との間に生まれたのが、女の子であることをあからさまに喜ぶ人物がいた。今回が初登場となる、木村達成演じる居貞親王(いやさだしんのう)だ。 居貞親王は、冷泉天皇の第二皇子で、花山天皇の異母弟にあたる。 母は、藤原兼家の三女・超子(ちょうし)であり、道長にとっては甥にあたる人物だ。第一皇子として、敦明親王(あつあきらしんのう)をもうけている。 4歳年上の従兄弟にあたる一条天皇が即位すると、居貞親王は皇太子となった。ドラマではまだ元気な一条天皇だが、やがて病に倒れると、この居貞親王に譲位がなされて、三条天皇として即位することになる。 いかにも野心がありそうな居貞親王と、その第一皇子である敦明親王。ともに道長とは対立を深めることになる。ドラマではどのように描かれるのか要注目だ。 そして、ドラマ内での道長にとって、かなりショックであろう出来事が近づきつつある。まひろの結婚だ。しかも、相手は20歳以上も年上で、妻も子もある藤原宣孝(のぶたか)なのだから、道長からすれば「それだったらオレの妾でもよかったじゃないか……」と思わずにはいられないだろう。 ドラマの終盤では、宣孝がまひろにプロポーズ。まひろは呆気にとられている。まひろの父・為時がどんな反応をするのか。まひろの返事とともに次回もまた楽しみだ。 【参考文献】 『新潮日本古典集成〈新装版〉紫式部日記 紫式部集』(山本利達校注、新潮社) 『現代語訳 小右記』(倉本一宏編、吉川弘文館) 『紫式部』(今井源衛著、吉川弘文館) 『紫式部と藤原道長』(倉本一宏著、講談社現代新書) 『敗者たちの平安王朝』(倉本一宏著、KADOKAWA) 『藤原伊周・隆家』(倉本一宏著、ミネルヴァ書房) 『偉人名言迷言事典』(真山知幸著、笠間書院)
真山 知幸