「手元が見えにくい=老眼」ではないことも!?放置すると首(頚椎)に異常の恐れもある症状とは
手元が見えにくいことに気づき、「老眼では?」と心配になった経験はありませんか。しかし老眼の症状は、近くが見えにくいだけではありません。またスマホなどの使い方によって、老眼に似た症状が起こることもあるんです。 【画像】「手元が見えにくい=老眼」ではないことも!?放置すると首(頚椎)に異常の恐れもある症状とは 今回は老眼の症状や対処法と、老眼に似た症状を引き起こす「調節緊張」について、医療法人社団久視会いわみ眼科理事長の岩見久司氏に聞きました。
Q.老眼の原因と症状を教えてください
目の中にはピントを調節するレンズである水晶体(すいしょうたい)があります。老眼はこの水晶体が硬くなることで生じます。 老眼になると、ピントを近くに寄せられなくなって手元が見えにくくなります。それだけでなく、ピントを近くに寄せた後、元の場所に戻すのにも時間がかかるようになります。 「手元が見えない・近くが見にくい」は老眼の症状として認識されやすいです。一方「手元に寄せたピントが元の位置に戻らない」という症状は老眼と認識されにくく、「遠くが見にくくなった」「目が悪くなったと」誤解されているかたも多いです。
Q.老眼の治療や対処法にはどのようなものがありますか
現在のところ老眼そのもの、つまり硬くなった水晶体に対する治療法はありません。対処法としてはやはり、低下したピント調節力を道具で補うことになります。 老眼の矯正として ・老眼鏡 ・遠近両用眼鏡 ・遠近両用のコンタクトレンズ ・遠近両用レンズを目の中に入れる手術(有水晶体眼内レンズ挿入術、白内障手術) があります。 老眼鏡は手元用の眼鏡です。老眼鏡を使うと手元がはっきり見えますが、かけたままでは遠くが見えません。遠くを見るためには眼鏡を外す必要があります。 1枚のレンズに遠くが見えやすくなる部分と、近くが見えやすくなる部分の両方があるのが遠近両用眼鏡です。遠近両用眼鏡であれば、近くを見る・遠くを見るときの眼鏡のかけ外しの作業が不要です。しかしレンズの遠用部分と近用部分の境目で、像のゆがみやひずみを感じることがあります。ほかにレンズの特性上、階段を降りるときには顎(あご)を引いて下を見ながら降りるという独特の動きが必要になります。 コンタクトレンズは同心円状に遠用部分・近用部分を配置しているため、境目で困ることはありません。見え方の質は少し落ち、ぼやけます。 手術で遠近両用の眼内レンズを入れるかたもおられます。眼鏡やコンタクトを使わなくてすみますが、見え方の質はコンタクトレンズよりさらに少し落ちます。