【ふくしま創生臨時支局・只見町】救急搬送で新潟県の市と10月1日協定 2026年秋国道開通 病院到着20分短縮
ただ、連携に向けた課題もある。町によると、新潟県央基幹病院は今春の開院以降、想定以上の救急患者を受け入れており、体制の逼迫(ひっぱく)が懸念される。厚労省によると、2020年の人口10万人当たりの医師数は新潟県が204・3人で、福島県の212・3人を下回る。 町と市、病院は課題の解決に向けて今後も協定の内容を改めながら連携を強化する。町保健福祉課の担当者は「協定の締結で町民の命と健康を守ることにつなげたい」としている。 ※八十里越 国道289号のうち只見町と新潟県三条市を結ぶ県境部分の区間。日本有数の豪雪地帯で険しい山道を進むため一里が十里にも感じられたことから、古くから「八十里越峠」と呼ばれた。幕末の長岡藩家老で、只見町で没した河井継之助が通った峠道で、故司馬遼太郎の小説「峠」の舞台になった。南会津地方と中越地方を結ぶ物流と人的交流の要衝として栄えたが、1914(大正3)年に岩越鉄道(現磐越西線)が全通して以降、徐々に往来が途絶え、昭和初期には車が通行できない状態となった。1986(昭和61)年から国土交通省、福島、新潟両県が事業化。1989(平成元)年から工事が始まった。