初任給が1か月3000円と聞いて「悔しい気持ちに」 障害者の“賃金倍増”へ 福祉事務所の女性の挑戦
2023年にオープンした名古屋市瑞穂区の「店員が気まぐれな カフェ・ド・モア」。働いているのは、知的障害や発達障害がある人々です。障害者の働く場である「福祉事業所」で、障害者雇用の1か月平均賃金の倍以上を支払うために奮闘する女性と、彼らのユニークな取り組みを取材しました。 【動画】報酬は高卒収入の10分の1…。障害者雇用の実態とは?【2分35秒】 ■発達障害などを持つスタッフが働く「気まぐれカフェ」 働いているスタッフの接客は明るく、作業マニュアルを見ながらコーヒーを淹れたり、簡単な料理の盛り付けをしたりといった業務を担当しています。 注文は書き取りではなく、スマホのアプリでクリックするだけ。支払いは自動精算機で決算できるので、障害があっても働きやすい環境に工夫されています。 スタッフは、全員明るく、ちょっと気まぐれ。店名も「店員が気まぐれな カフェ・ド・モア」です。しかし、常連客は気まぐれさも含めてこの店を気に入っています。 (常連客) 「ホッとする感じがありますね。(接客が)よくできたという気持ちもありますけれど、こちらも親のような気持ちになる」 丁寧で素朴な接客に、心が温まると評判です。この店をつくった竹内亜沙美さんは、中高生向けの就労支援施設も運営していますが、ある時、愕然とする出来事が… (みらせん 竹内亜沙美代表理事) 「卒業生が初給料のメモを見せてくれた。1か月の給料が3000円でした。今想い出すだけでも、悔しい気持ちになる」 嬉しそうに見せてくれた初めての賃金は3000円。1日5時間、1か月に22日働いた報酬です。 ■客を待つだけではダメ! 福祉事業所による障害者賃金“倍増計画” 一般企業で働けない障害者の働く場である「福祉事業所」の場合、平均工賃は1か月で約1万6507円(B型・雇用契約無の場合)で、高卒初任給の10分の1です…そこで竹内さんが考えたのは! (みらせん 竹内代表理事) 「新しいサービスを作って、全国平均の倍以上を出せるようなサービスを構築しています」
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