カジノ、スポーツ賭博、ハイリスク投資… アメリカでは「お金」を使った遊びが爆発的に増えている(海外)
昨今、アメリカではギャンブルをしようと思えば、かつてないほどいろいろな方法でお金を賭けることができる。実在するカジノ、携帯電話のカジノ、スポーツ賭博、暗号資産、ミーム株… ゼロ・デー・オプションのような複雑な金融商品でさえ、手っ取り早くリスクを取ることができる。特に若い男性にとっては、多少の不安はあるものの魅力的なチャンスだ。ただ、何らかのギャンブルをする意欲が高まっているということは、スポーツ賭博から投資アプリまで、さまざまな企業にとってビジネスが好調であることを意味する。 アメリカでは近年、驚くほどギャンブルが常態化している。アメリカ人が合法的にスポーツに賭ける金額は、2022年の930億ドル(約14兆3900億円)から2023年には過去最高の1198億4000万ドルに増えた。2018年に連邦最高裁がスポーツ賭博の可否を決める権限は州にあるとの判断を示して以来、40近い州が何らかの形でスポーツ賭博を認めている。また、7つの州が「iGaming」 ── オンラインのブラックジャック、ルーレット、スロットマシン ── を合法化している。 また、いわゆる"ギャンブル"ではないものの、Robinhoodといった無料の投資アプリによって、楽しみや退屈しのぎ、小遣い稼ぎなどのために投資を始める一般人が増えている。多くのユーザーは安定したポートフォリオを構築するためにアプリを利用しているが、リスクの高いデイトレードをやったり、GameStopやAMC、あるいはトランプ前大統領のSNS会社といったミーム株に投資している人も少なくない。暗号資産が復活しているが、「価格が上がること」以外を目的としているフリをする人はほとんどいない。多くのビデオゲームにもギャンブル的な側面があり、子どもや青少年をリスク志向の道へと引き込んでいる。 こうしたトレンドにはさまざまな層が加わっているが、若年層と男性に偏っていることをデータは示唆している。全米大学体育協会(NCAA)の2023年の調査では、スポーツ賭博は若年層 ── 中でも大学のキャンパスや、黒人やラテン系の若者の間で広まっていることが分かった。また、ピュー・リサーチ・センターの2022年の調査では、「男性」や「50歳以下の人々」は「女性」や「50歳以上の人々」よりもスポーツにお金を賭ける傾向が強いことが分かった。若い男性は暗号資産やミーム株にものめり込む傾向がある。 これは驚きではない。男性は女性よりも金銭的なリスクを取る傾向がある。投資家としては過信しがちなので、より多くの取り引きをして、その結果、得るリターンはより低くなることが多い。一般的に男性は女性よりもギャンブルをする傾向があり、ギャンブルの場での衝動への対処が上手くないことが分かっている。
Emily Stewart