島田珠代がくりぃむしちゅーの上田にされて気持ちよくなること「イジられないと満足できない身体になってしまった」
悲しみは笑い飛ばせ! 島田珠代の幸福論
唯一無二の持ちギャグで吉本新喜劇を長きにわたり支えている、お笑い芸人の島田珠代さん。そんな彼女が仕事への哲学や自分らしさ、女として生きることを赤裸々につづったエッセイ『悲しみは笑い飛ばせ! 島田珠代の幸福論』から一部を抜粋・再構成し、島田珠代のプロの「返し」のテクニックを披露する。 【写真】島田珠代さんの「パンティーテックス」
カワイイって言わないで
2丁目劇場で舞台に立っていた頃から、今でもずっと変わらないことがあります。それは、「かわいいですね」とか「いい匂いですね」っていうポジティブな反応をされたくないということです。 女性として容姿イジリは傷つくでしょ?と思う人がいるかもしれませんが、仕事の場面でかわいいとか言われたら、一番しんどい。強がっているわけでもなく本心でそう思っています。たぶん、こういうマインドが一般の方と大きく異なる点なんでしょうね。 私は見た目をイジられるプロなので、どんなことを言われても構いません。みなさん、忘れてしまっているかもしれませんけど、私は容姿をイジられてお金をもらっているんですよ。そりゃ、並大抵の耐性ではありません。 今では、イジられないと満足できない身体になってしまったんですから。むしろ、今までに言われたことのないテンションでイジられたら、それをどうやって笑いに持っていけるかと燃えてしまうタイプです。 ちなみに、私が好きなツッコミをしてくれる芸人さんを挙げるとしたら『くりぃむしちゅー』の上田さん。ちょっと雑な感じで「お前、バケモノだろ」とか「お前のことなんか誰も見てねえよ!」と言われると、気持ちよくて身体がゾワゾワするんです。もうおかしいでしょ? そんな雑な扱いをした後に、撮影が終わると「またよろしくお願いしますね」って優しく挨拶してくれて……はぁ、もう思い出すだけで最高。定期的に罵られたくなる。 一昔前なら、先輩にツッコむなんてやってはいけないことだったのかもしれないけど、私はどれだけイジられてもいいと思っているから、先輩も後輩も関係なくガンガン来てほしいと思っています。 容姿イジリを差別的と捉えられて、なかなか塩梅が難しい世の中になってはきていますけど、それでも私たちはプロなので「どうぞ安心して笑ってください」という気持ちで舞台に立っています。