駐車場を探す『うろつき運転』による渋滞が問題に 京都・清水寺周辺 週末はほぼ「満車」 国交省が対策へ
京都の観光地周辺では駐車場を探す車の“うろつき運転”が引き起こす交通渋滞が課題となっています。その実態とは? ■【動画で見る】交通渋滞が深刻 空き駐車場を探す「うろつき運転」 週末になると周辺駐車場は「満車」状態
■観光名所の周辺で「うろつき運転」が問題に
人気の観光地・京都。特に世界遺産「清水寺」周辺はたくさんの人でにぎわい、車で観光に訪れる様子も多く見られます。 ここで今問題になっているのが「渋滞」です。そして、その原因と考えられているのが…。 【記者リポート】「駐車場を探しているのでしょうか。周りをきょろきょろと見渡しながらゆっくり運転しています。『うろつき運転』です」 【国交省 京都国道事務所 尾崎悠太所長】「東山地域をはじめとした観光地と周辺で、広域的な渋滞が発生している。観光地の問題がダイレクトに市民生活に影響してくる」 先週、国交省や京都市などが渋滞解消に向けた対策会議を開き、問題解決に向けて動き出しました。 実際どんな状況なのか、取材してみると…。 【記者リポート】「午前10時15分です。清水寺へと続く五条坂なのですが、渋滞にはまってしまいました」 その後…。 【記者リポート】「ようやく渋滞も抜けて一番上まで上がってきました。7分ほどかかったでしょうか」 およそ400メートル移動するのに7分かかりました。 今、特に問題となっているのが、清水寺近くの「清水坂」と「五条坂」です。 国交省によると、この2つの坂ではほとんどの場所で、車の平均時速がなんと5キロ以下! 【記者リポート】「車が駐車場に入ろうとしましたが、満車のパイロンが置かれたのでそのまま停めずに進んでいきます」 清水寺周辺にある11カ所の駐車場は、週末、ほぼ満車に。さらに…。 【記者リポート】「ゆっくりと駐車場に入っていきます。この出入りで後ろは結構渋滞していますね」 車の出入りも渋滞の原因となっているようです。 駐車場に入ろうとしたある車も、満車で断念。そのまま別の駐車場に…。
■倒木事故の際も渋滞で救助に影響が
【香港からの観光客】「ほとんど満車でした。大半の車は通り過ぎていました」 Q.見つけるのは難しかった? 【香港からの観光客】「少し難しかったです。まわってみていくつかの駐車場がいっぱいだったので別の駐車場へ行きました」 Q.車で上まで上がってくるのはなぜですか? 【観光客】「こっちのほうが近いから。駐車場はちょっと少ないですね。ギリギリです」 清水寺に向かうには勾配のある清水坂や五条坂を上らなくてはならず、観光客はなるべく寺の近くまで車で上ろうとするため、周辺で駐車場を探す「うろつき運転」の車がたくさん出てきてしまうのです。 周辺の土産物店の店主は「諦めの境地です」と語ります。 さらに今年4月、桜の木が倒れ、下敷きになった男性が重傷を負った事故でも、渋滞の影響があったといいます。 【土産物店 店主】「(木が)倒れて、レスキューが来た時も車とか人がいっぱいで、来るのに恐ろしい時間がかかりました」 この問題を受け、国交省などは今年11月から2025年2月まで、駐車場の事前予約や、空き情報をリアルタイムで確認できる新しいシステムを導入し、効果を検証します。 【国交省 京都国道事務所 尾崎悠太所長】「まずは満車の駐車場を求めて入ってくる車を少なくしようということで、今回の予約システムを構築・運用していこうと考えています」 果たして、渋滞問題の解決につながるのでしょうか。
関西テレビ