【公演レポート】礼真琴が人生の“色鮮やかさ”見せる、宝塚歌劇星組「BIG FISH」本日開幕
「宝塚歌劇星組 ミュージカル『BIG FISH』」が本日5月30日に東京・東急シアターオーブで開幕した。これに先駆け昨日29日、通し舞台稽古が行われた。 これはダニエル・ウォレスの小説とティム・バートンの映画をもとに、2013年にアメリカで初演されたミュージカル。ジョン・オーガスト脚本、アンドリュー・リッパ音楽・歌詞による同作を、今回は稲葉太地が潤色・演出する。 エドワード・ブルームは、いつも自分の人生を英雄譚として話して聞かせ、周囲を楽しませていた。しかし、息子のウィルは大人になるにつれ、父の話をデタラメだと思い、鬱陶しく感じるようになる。あるとき、エドワードが病に倒れたことをきっかけに、ウィルは父の本当の人生を知ろうとし……。 作中では、エドワードとウィルが相容れずにいる現在のシーンと、エドワードが語ってきた物語を再現する過去の場面が、交互に進行する。中でも再現シーンでは、森に住む魔女からのお告げや、人々から怖がれられていた巨人との旅、サーカス団での運命的な出会い、霧の中の人魚との関わりなど、まるで“おとぎ話”のような非現実的で華やかな光景が次々に舞台上に現れ、観客の目を楽しませた。 エドワード役の星組トップスター・礼真琴は、軽い身のこなしで、野心と冒険心にあふれる青年期のエドワードをエネルギッシュに演じた。一方、中・老年期では声のトーンを落とし、ゆっくりとした動作の中にも、エドワードの生き生きとした笑顔や自信たっぷりな語りを顕在させ、歳を重ねても変わらない、主人公の純真な魅力を表現した。 父への不満を募らせる現実的な息子ウィルを演じた極美慎は、ふとした表情や話し方から父を気遣う優しさがにじみ出る、繊細な演技を披露。エドワードの妻サンドラ・ブルーム役の小桜ほのかは、夫の良き理解者で息子にも寄り添う一家の要的存在を朗らかに演じた。また、若かりし頃のサンドラに扮した詩ちづるは、弾けるような笑顔とダンスシーンでエドワードの運命の相手を印象付け、星咲希はウィルの妻・ジョセフィーンを義父の話を興味津々に聞く素直な女性として立ち上げた。 上演時間は約3時間。公演は6月16日まで行われる。 ■ 宝塚歌劇星組 ミュージカル「BIG FISH」 2024年5月30日(木)~6月16日(日) 東京都 東急シアターオーブ Book by JOHN AUGUST Music and Lyrics by ANDREW LIPPA Based on the novel Big Fish by Daniel Wallace and the Columbia Pictures film screenplay by John August BIG FISH is presented through special arrangement with Theatrical Rights Worldwide 1180 Avenue of the Americas, Suite 640 New York, NY 10036, www.theatricalrights.com. 潤色・演出:稲葉太地 出演:礼真琴 ほか