谷亮子さん「“パリでも金。やっパリ金”で頑張って」阿部詩らパリ五輪代表に合宿で金言
柔道女子48キロ級で2000年シドニー、04年アテネ五輪金メダルの谷亮子さんが30日、都内での柔道全日本女子合宿で講話を行い、パリ五輪に臨む女子日本代表に「“パリでも金。やっパリ金”で頑張って」とエールを送った。 谷さんにとっても2010年に引退後、代表活動の場で話をするのは初めてだったという。全日本女子の増地克之監督に最初に打診を受けたのは21年東京五輪前。当時はコロナ禍もあって機会に恵まれなかったが、選手の希望もあって再度打診を受け、パリ五輪前に実現。現役時代の経験や考え方などを約1時間伝え、「私もぜひ何か力になれることがあればというふうに、いつも思っていた。実現できて大変うれしい」と笑顔だった。 現役時代は1992年バルセロナ大会から五輪に5大会連続で出場し、いずれもメダルを獲得した。バルセロナ、96年アトランタ五輪の銀メダルから3度目の正直でシドニーで金メダルに輝くまでの過程や五輪出場を重ねる中での対戦相手の研究や準備、モチベーションの保ち方。緊張やメディアからの注目との付き合い方。本番前に五輪を想定した1日を何度か設定して場慣れを図っていたことなど、貴重なエピソードを選手も興味深そうに聞き、質疑応答では活発に手が挙がった。 48キロ級で、谷さん以来の金メダルが期待される角田夏実(SBC湘南美容クリニック)は「本当にいい話を聞けた。私と考えが似ている部分だったり、全く違う部分もあって、五輪に向けて参考にしたい」と気持ちが高まった様子だった。 谷さんによれば、“やっパリ金”には「それだけ努力していて、それだけの実力がある。やっぱり金メダルだったな」となるように、との思いが込められているという。52キロ級で、2連覇を狙う阿部詩(パーク24)も「すごく素敵な1時間だった。話を聞いて自信を持てた部分、もっとやらないといけないなと思った部分があった」と感銘を受け、「この1時間を無駄にせず、しっかり『パリで金メダル、やっパリ金メダル』を取りたい」と誓った。
報知新聞社