【衆院選】今回の衆院選・専門家はこう見る「一番参考になる過去の衆院選」は? 鹿児島
鹿児島テレビ
衆院選を巡る特集です。 「政治とカネ」の問題が大きな争点となる中、今回の選挙を専門家はどう見てるのでしょうか。 過去の選挙と比較しながら、今回の選挙の見方をひもときます。 「衆議院を解散する」 10月9日、衆議院が解散しました。 石破総理の総理就任からわずか8日と、戦後最短の日程で突入した今回の選挙戦。 今回の選挙の見方を政治学が専門の鹿児島大学・平井一臣名誉教授に聞きました。 平井一臣名誉教授 「一番参考になるのは2005年の小泉政権の時の『郵政選挙』」 平井名誉教授があげたのは、「郵政選挙」とも言われた2005年の総選挙です。 当時の小泉総理は郵政民営化関連法案が否決されたことに伴い、衆議院を解散。 その上で小泉総理は郵政民営化法案に反対した議員を公認しませんでした。 一方、今回も公認を巡り自民党が揺れました。 石破総理は自民党の裏金問題を発端にいわゆる「裏金議員」12人を非公認に。 平井名誉教授はこの2つの選挙の共通点を次のように話します。 平井一臣名誉教授 「小泉さんと石破さんは共通点があって、2人とも党内基盤が弱い。党内基盤が弱いのを補うために世論を味方にする戦略を立てる」 2005年の選挙で当時の小泉総理は、公認を出さなかった自民党議員の選挙区に対抗馬を立てるほど徹底していました。 県内でも法案に反対した元自民党の候補のもとに別の候補が送り込まれ、激しい選挙戦を展開。 無所属で選挙戦を戦い、当選する候補者もいましたが、全体で見ると自民党は296議席を獲得し、圧勝。県内でも5つの選挙区のうち3つの選挙区で自民候補が勝利しました。 そのときに比べると今回、石破総理は対抗馬を立てることはせず、非公認とした議員が当選した場合には「追加公認することはあり得る」としています。 平井一臣名誉教授 「石破さんは小泉さんと同じで党内基盤が弱いので、世論も見ているが、党内政治も見ている。両にらみでやっているので方針がぶれたり、小泉さんのやり方に比べると分かりにくい」 2005年は自民党の圧勝に終わった衆院選でしたが、その次の2009年の衆院選では当時の麻生内閣の支持率が低迷。 民主党が戦後最多となる308議席を獲得し、政権交代が実現しました。 県内でも民主党が比例復活組を含めると、4人の民主党候補が当選し、保守王国鹿児島でも自民党の地盤は崩れました。 平井名誉教授は当時と同じように「現在の自民党への信頼は低下している」とする一方で、今回は「野党の受け皿がない」と話します。 平井一臣名誉教授 「あの時民主党が大きな野党として成長していく流れがあって、自民党か民主党かという選挙になった。今回は野党が分散化しているから、反自民・非自民を大きく吸収する窓口ができていない」 その上で、今回の鹿児島での選挙のポイントをこう話します。 平井一臣名誉教授 「今の自民党に対する批判・不満票が出やすいのが1区。2区は保守分裂になるのでどうなのかなとか、3区では大臣効果はどの程度あるのかなとか、それぞれ今回はかなり面白みがある」 「自民党政権が復活してからの12年間の政治をどう評価して、次にステップを踏み出すためにはどういう形がいいのか、今回の総選挙はそこを問う選挙なので、有権者は自分たちが歴史の針路を決める当事者の一人であるという意識を持って選挙を見てほしいし、投票に行ってほしい」
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