「生徒に説明がないのはおかしい」新校舎の着工時期を巡り高校生が訴え 学校生活への影響は…文化祭で“思い“展示
県教委は工事の前倒しを示唆
長野県の県立高校第2期再編で、伊那北(伊那市)と伊那弥生ケ丘(同)を統合して2028年度に開校する予定の伊那新校を巡り、伊那弥生ケ丘の1年生が23日まで開いた文化祭で、新校への思いを記した付箋を展示した。県教委は、27年度に予定する新校校舎の工事開始を前倒しする可能性を示唆している。その場合、現1年が3年になる26年度中の工事開始も想定され、学校生活への影響を心配している。 【写真】生徒の切実な思いが書かれた付箋
県教委の方針では、27年度に伊那北の敷地で校舎建て替えに着手。28年度に新校が始まり、新校舎の完成は29年度の予定だ。地元首長らは新校の開始と新校舎の完成が同時になるよう求め、県教委の武田育夫教育長も「再検討している」と説明している。
「工事の影響を受けない」との説明で入学したのに…
生徒たちはこの経過を新聞報道で知ったが、県教委から説明は受けていない。現1年生は、学校生活が工事の影響を受けない―との説明で入学しており、困惑したという。そこで、正副ルーム長(学級委員)で作るルーム長会が、1年195人の声を紹介しようと掲示を企画した。
付箋は「学校生活が大きく変わってしまうのが不安」「説明を求める」など、内容ごとに分類。着工時期の変更については賛否いずれの意見もあり、目立ったのは「説明がないのはおかしい」など、生徒への説明を求める意見だった。
同会会長の女子生徒(15)は前倒しを不安視する立場から、「高校生活を楽しみにしてきた分、自由を制限される気がする」。副会長の池上あかりさん(15)は「大人だけで進めず、通っている私たちの意見も取り入れてほしい」と訴えている。