「そういえばそうだった…」『ドラゴンボール』強敵を倒した「真のMVP」たち
■親子のかめはめ波でセルを粉砕! 怒りのパワーを解放した孫悟飯
「人造人間・セル編」では、驚異的な強さを誇る人造人間17号と18号が登場。さらに、セルまでもが現れ、彼らを吸収し完全体となってしまった。そしてセルはより強い挑戦者を求め、10日後に「セルゲーム」を開催することを宣言する。 心臓病を発症したこともありここまで見せ場がほとんどなかった悟空だが、神殿の「精神と時の部屋」で息子・悟飯と修行をしセルゲームに備えた。 そして始まったセルゲーム。1戦目は自ら志願した悟空対セルだ。互角の勝負を繰り広げるも、悟空はあっさり降参。周囲が驚くなか、悟空は次の挑戦者に悟飯を指名した。悟空は悟飯が秘めた“怒りのパワー”はセルを上回ると確信していたのだった。 だが、戦闘が好きではない悟飯はなかなか覚醒しない。悟飯を怒らせようとセルはセルジュニアを使って仲間たちを襲わせ、さらにバラバラにした人造人間16号の頭を踏み潰した。 これがトリガーとなり、とうとうキレた悟飯はセルを圧倒。痛めつけられプライドが傷ついたセルは自爆を試みて地球ごと消滅させようとするが、悟空が瞬間移動で界王星へセルを連れて行き、犠牲となってしまう。 だが、セルはパワーアップして復活。片手を負傷し戦意喪失寸前の悟飯だったが、あの世から語りかける悟空に勇気づけられ、片手かめはめ波で応戦。悟空の意志を受け継いだ“親子かめはめ波”でセルを消滅させた。 この「人造人間・セル編」では悟空よりも仲間たちの活躍が目立っていた。とくに悟飯の進化はとんでもなかった。名実ともにセル戦のMVPは悟飯だといえるだろう。悟空が死んでしまうのは衝撃だったが、物語の主人公が悟飯へと変わっていくようなシーンが印象的だったものだ。
■魔人ブウを倒したのは? 世界のヒーローといえばやっぱりこの人「ミスター・サタン」
原作漫画におけるラスボス・魔人ブウ。宇宙征服を企む魔導師バビディによって復活したブウは、作中屈指の厄介な強敵だった。 その実力は地球の戦士たちを遥かに凌いでおり、誰もブウを止めることができない。そしてブウは、たった1日あまりで地球の人や町の8割ほど消滅させてしまった。 ここで登場したのが、ミスター・サタンだ。討伐のためにブウに近づくのだが、その後、ブウに気に入られ仲良くなってしまう。当初子どものように純粋な心を持っていたブウは、人殺しや破壊行為はしないようにサタンに提案されると「じゃあやめた」と約束するほど信頼している様子だった。 だが、その後、愛でていた子犬やサタンが悪党たちに傷つけられたことをきっかけに、ブウは“純粋悪のブウ”と“無邪気なブウ”に分裂。さらに純粋悪のブウは無邪気なブウを吸収し、最終的に最も純粋悪の魔人ブウが誕生してしまう。 超サイヤ人3に変身した悟空でも手に負えないほどの強さとなった魔人ブウ。最終的にベジータの提案で、悟空は地球人みんなの元気を集めた“特大元気玉”を用意することとなる。 界王さまの力を使って地球人たちに交信するベジータや悟空だったが、いくら頼んでも、その声を怪しんだ地球人たちは協力してくれない。その姿を見ていたサタンは憤り、“さっさと協力しないか”と一喝。すると、世界的に有名な彼の言葉に地球上の元気が集まり、ブウを消滅させることに成功した。 この時、時間稼ぎのためブウと戦い力尽きたベジータも救出しているサタン。やはり「魔人ブウ編」でのMVPは、間違いなくサタンだったといえるだろう。彼がいなかったら、最初の善の魔人ブウによって人類が消滅していたのかもしれない。 言うまでもないが、『ドラゴンボール』の主人公は孫悟空である。しかし、意外なところでMVP級の活躍を見せているキャラクターの存在が、本作の面白さをより引き立てていたように思う。 そういえば「人造人間・セル編」で、16号の頭を悟飯の元へ放り投げたのもミスター・サタンだった。実は地球の平和に欠かせない存在といえるだろう。さすがヒーローだ。
ジャッキー