福岡市の中学生・高校生が「英語歌舞伎」に挑戦 日本を知ってこそ国際人材に
テレQ(TVQ九州放送)
10月10日、福岡市の学校 リンデンホールスクールの生徒たちが「英語歌舞伎」を上演します。稽古の様子を取材しました。 中学3年生、劉 昭之介さんが通っている筑紫野市のリンデンホールスクールを訪ねると。 森記者 「何やら英語が聞こえてきます。実はこれ、英語で数学の授業が行われているんです」 ここは、国語以外の全ての授業を英語で実践する福岡で唯一の小中高一貫校です。 リンデンホールスクール 都築明寿香校長 「グローバルに活躍するとなるともっと大切なのは英語はあくまでツールであって日本の伝統や文化、教養を身につけた人材になること」 開校20年を記念して「英語歌舞伎」に初挑戦します! 取材したこの日は本番2週間前。歌舞伎俳優の中村壱太郎さんが指導に訪れ、最終調整に入っていました。披露する演目は「菅原伝授手習鑑車引」。太宰府にゆかりのある菅原道真の左遷を巡る物語です。中学3年生の劉さんが演じるのは松王丸。 菅原道真に仕える家柄に生まれ、受けた恩をいつか返したいと思っている松王丸ですが、道真と敵対する「藤原時平」に仕えるという運命に翻弄される人物です。 藤原時平 役 「Move the cart immediately」(車をすぐに動かせ) 劉さん 「Yes sir」(かしこまりました) 中村壱太郎さん 「それね。お辞儀するけど下がらずに上げよう」 時平に「車をすぐに動かせ」と指示を受け、松王丸が「かしこまりました」と仕えるシーン。主人である時平と恩を受けた菅原道真に対する想いの板挟みに苦しむ松王丸。そのセリフ一つ一つに悲壮感を漂わせる必要があります。稽古のあとも中村さんに演技の確認をします。 劉さん 「最後のイエスサーは」 中村壱太郎さん 「イエスサーじゃなくてイエスサー」※音を下げるのでは上げるように 「英語歌舞伎」に取り組み始めたのは2023年2月です。 劉さん 「もともとは日本語で3カ月間練習をしていて、壱太郎さん以外にも他の多くの歌舞伎役者に指導してもらって、セリフに妬んでいる気持ちが入っているとか威張る気持ちが入っているんだよとか教えてもらっていたので最初の3カ月間でいろいろ学べました」 7月の夏合宿から英語での稽古を積み重ねました。 中村壱太郎さん 「英語の方が早く、語順も違いますし、音楽にも合わせないといけない。これは生徒に感覚でつかんでもらわないといけない、そこの難しさを感じている」 日本語での理解も簡単ではない歌舞伎を英語で演じるこの試み、そこにはこんな狙いがあるといいます。 都築校長 「今回の英語歌舞伎を経て自分の言葉や自分の表現として 伝統文化を理解して将来海外に行ったときに自分の言葉として伝えられる人材になってほしい」 リンデンホールスクールの中学生・高校生72人でつくりあげる「英語歌舞伎」は アクロス福岡で10月10日上演です。
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