バッドボーイズ・清人が目の不自由なおばあちゃんと二人三脚で生きた幼少期を描いた初コミックエッセイ
金ナシ親ナシ……愛だけあった――。お笑いコンビ、バッドボーイズ・清人の初となるコミックエッセイ『おばあちゃんこ』(KADOKAWA)が発売された。 【写真】バッドボーイズ・清人の初コミックエッセイを試し読み バッドボーイズ・清人は1978 年に生まれ、高校を卒業し芸人となり02 年に上京するまで福岡で暮らしていた。この『おばあちゃんこ』は、1970 年代終わりから80 年代にかけて、特に10 歳前後の福岡県西戸崎で過ごした日々を綴った実話の物語。 小学3 年生のきよっぴは物心がついたときには父母と呼べる存在はおらず(橋の下で拾ってきたと聞かされていた)、哲子ばあちゃん、ばあちゃんの長男のマサおっちゃん、次男のかーぼ、三男ののり兄ちゃんとともに海沿いのあばら家で暮らしていた。 生活はというと、時に食うにも困るほどの貧しさで、一家の大黒柱で親代わりのばあちゃんは「目が見えない」というハンディを背負っていた。ばあちゃんの目となり足とならざるを得なかったきよっぴは、友達と遊ぶ暇もないほど忙しい日々を送っている。 かなり特殊な家族構成、家庭環境の中で起こる日々の出来事は、一言でいえば「めちゃくちゃ」。しかし、そんな日々にも不器用で温かな愛情が流れている。 親子、おじいちゃんおばあちゃんとお孫さん、夫婦、兄弟……世代を超えて胸打たれる「家族愛」がここに描かれている。しばらく会っていない大切な人に会いたくなる、そんな郷愁にあふれている。そんな一冊になっている。
文=リアルサウンド編集部