コンポタ、シチュー、ナポリタン…“衝撃の味”の源は「あそびましょ。」 深谷・赤城乳業の「ガリガリ君」
ガリガリ君といえば「当たりスティック」も忘れてはならない。コロナ禍の時は中止も検討したが、継続を決め、よく洗って乾かしビニールなどに包んでの交換を呼びかけている。岡本は「当たりスティックはガリガリ君の魅力の一つ。これからもガリガリ君がお客さんから楽しまれる存在でありたい」。遊び心は永遠だ。(敬称略) ■緩和医療学会から表彰 「ガリガリ君」は、2019年に日本緩和医療学会の学術大会で「最優秀緩和ケア食の維持賞」を受賞している。多年にわたり緩和ケアを受ける患者の食の維持を支え、生活の質の維持向上に多大な貢献をしたためという。 終末期の患者は飲み込む機能が低下し、口から食べ物の摂取が難しくなる。しかし、細かく砕いたアイスキャンディーは口の中に含むと徐々に溶けていき、終末期の患者にとっても食べやすいという。「終末期の患者がガリガリ君を食べたら、少し元気になった」などどいう声が同社にも寄せられているという。
緩和ケアの業界では有名な話だったが、同学会から表彰を受け、交流サイト(SNS)を通じて話題となった。同社開発マーケティング本部マーケティング部マーケティングチームリーダーの岡本秀幸は「当初は想定していなかった食べ方だが、食べてもらえるのはありがたいこと。これからも味を守っていきたい」と語る。 ガリガリ君シリーズは3月に税別の希望小売価格を70円から80円に引き上げた。原材料や包装資材などの価格高騰が要因で、品質維持のために値上げを決めた。1981年に50円で発売され、91年と2016年に10円ずつ価格を引き上げている。