【Playback箱根駅伝】第94回/青学大が6区で逆転! 史上6校目の総合4連覇
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第94回箱根駅伝総合成績をチェック
第94回(2018年/平成30年) 往路は東洋大が独走V 青学大は6区で首位、7区林が区間新
前回大会で総合3連覇を達成し、史上4校目の学生三大駅伝3冠を成し遂げるなど2016年度は青学大。しかし、17年度になると、10月の出雲は東海大が10年ぶりに制し、11月の全日本は神奈川大が20年ぶりの優勝。一方の王者・青学大は出雲2位、全日本3位と敗れた。正月の94回大会はこの「3強」が注目を集め、激戦が予想された。 1区は東洋大のルーキー・西山和弥がトップで中継。87回大会(2011年)の大迫傑(早大)以来、7年ぶりに1年生が1区を制した。 花の2区では前回区間賞の神奈川大・鈴木健吾(4年)と、青学大の森田歩稀(3年)が先行するチームをかわし、2位争いを演じながら先頭の東洋大・相澤晃(2年)をうかがう。だが、相澤も安定したペースを刻み、最後までトップを守った。次いで、森田が終盤に鈴木を振り切り、相澤から22秒差で中継。13人抜きで4位まで一気に押し上げた山梨学大のドミニク・ニャイロ(3年)とともに1時間7分15秒で区間賞を分け合った。 3区も東洋大が首位をひた走った。山本修二(3年)は序盤こそ、青学大・田村和希(4年)の猛追で一時は12秒差まで迫られるが、終盤に田村がペースダウンすると、押し返していく。後方では早大が6位から3位に躍進し、神奈川大は4位に後退。2区で13位から5位にジャンプアップした拓大は順位をキープした。 4区は東洋大の吉川洋次(1年)は前回の区間賞タイムを大幅に上回るペースで差を2分03秒まで広げた。区間賞を獲得したのは神奈川大・大塚倭(4年)。1時間2分21秒の区間新をマークして前を走る早大を抜き、2位の青学大とはこの区間だけで1分18秒縮めて36秒差に迫った。 東洋大は5区も1年生の田中龍誠を起用。2分以上もの「貯金」を生かし、マイペースで上っていく。2位の青学大・竹石尚人(2年)は着実にその差を詰めていくが、田中はトップを譲らず、4年ぶり6度目の往路優勝のフィニッシュテープを切った。 青学大は36秒差で2位と復路での逆転に向けて射程圏。3位は早大で、拓大が往路最高順位となる4位に食い込んだ。5位の法大は、小田原で14位発進だったものの、青木涼真(2年)が距離変更された前回の区間記録(1時間12分46秒)を1分02秒も上回る1時間11分44秒の区間新記録で9つ順位を上げた。 復路は青学大が描いた筋書き通りにレースが進む。3年連続6区となる小野田勇次(3年)が、首位の東洋大・今西駿介(2年)を15km付近で追いつくと、400mほど走ったところで引き離した。58分03秒と区間記録(58秒01秒)こそ、あと2秒届かなかったものの、「3度目の正直」で区間賞を獲得。2位の東洋大に52秒差をつけた。 7区では林奎介(3年)が、驚異の走りで総合4連覇を手繰り寄せていく。ハイペースを保ったまま、1時間2分16秒で走破。88回大会(2012年)で設楽悠太(東洋大)が出した区間記録1時間2分32秒を更新した。さらに、8区の下田裕太(4年)もこの区間で3年連続の区間賞となる好走で、東洋大には6分15秒差と大きく広げた。 その後は青学大の「Vロード」。9区の近藤修一郎(4年)、10区の橋間貴弥(3年)もがっちり首位を守り、史上6校目の総合4連覇を達成した。 2位は東洋大が入り、3位は早大。優勝候補の東海大は5位にとどまり、神奈川大は13位とまさかのシード落ちとなった。また、駒大が12位に終わり、9年ぶりにシード権を失った。金栗四三杯は7区区間新の青学大・林が受賞した。
月陸編集部