巨人V奪回の使者となれるか し烈な外野手争いに挑む「帰ってきた天才打者」とは
巨人の外野手争いがし烈さを増してきた。 巨人は3月9日に行われたオリックス戦(京セラドーム)に外野のレギュラー争いをする選手たちがこぞって、躍動した姿を見せた。 【動画】松原聖弥がオープン戦初回から7点目のタイムリーをマーク 「1番・中堅」に入った松原聖弥は3打数2安打で打率5割。堂々のオープン戦首位打者として好調をアピールすると「9番・右翼」に入ったドラフト3位ルーキーの佐々木俊輔(日立製作所)も負けていない。3打数2安打とマルチ安打を記録、打率、438と存在感を示している。 さらに昨年のドラフト2位、萩尾匡也は5回2死満塁の好機に代打として送られると、阿部翔太から中前2点適時打を放ち、見事ベンチの起用に応えた。 ほかにも「3番・左翼」で先発出場した丸佳浩は初回にオープン戦初安打。同じく「6番・DH」で先発した新外国人選手のルーグネッド・オドーアも第1打席でオリックス先発のルイス・カスティ―ヨの低め直球を捉えて、右前へ運んだ。これがオープン戦2試合目の出場で初安打となった。 これら選手以外にも昨年10本塁打をマークとブレイクした秋広優人、オコエ瑠偉など外野手争いは激化している。 ただそんな中でも、好調を維持しているのは、「育成の星」、松原にもある。16年の育成5位入団。21年に135試合に出場、打率・274、12本塁打と頭角を現し、新たな「育成の星」として注目を集めた。 翌年は亀井善行氏(現外野守備走塁コーチ)が引退したことに伴い、伝統のある背番号「9」を引き継いだ。しかし、ここ2年は低迷、背番号もはく奪されてしまい、昨年はとうとうノーヒットに終わっていた。 ただ松原の潜在能力の高さは首脳陣もかねてから認めていた。背番号を渡した亀井コーチが引退時に「あんたは天才だから」と、松原の打撃センスを認めていたことは有名な話だ。 昨年無安打ながら1軍キャンプスタートとなったのも、期待の現れ。再生を願う阿部慎之助監督からもショートゴロを打つようにと逆方向への意識を向けるように伝えられ、現在の快進撃につながっている。 足も使え、一発もある。堅守で知られる松原が1番として定着できれば、チームにとっても大きな力となる。 後を追う佐々木とのし烈な争いもチーム力底上げにつながっている。 キャンプ前から外野手に関しては「白紙」を打ちだし、高いレベルでの競争を求めていた指揮官にとっても構想通り。今後どのようにオーダーを固めていくのかも注目を集めそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]