７回、追加点を許し悔しがる青柳（撮影・田中太一）

　「中日２－２阪神」（１２日、バンテリンドーム） 　阪神は延長十二回の激闘の末、引き分けに終わった。先発した青柳晃洋投手（３０）は７回２失点で降板。今季初勝利こそならなかったが、粘りのピッチングで貢献した。その後、リリーフ陣も無失点のリレーを展開し、チーム一丸の戦いを見せた。 【写真】スゲー！同点劇を演出した近本の全力疾走　一塁ベース前でもう飛んでる 　“三度目の正直”とはならなかったが、修正力が光った。青柳は序盤から低めへボールを集めてリズムを作って、前回５日のヤクルト戦（神宮）では６個だった四死球はゼロ。開幕投手同士の投げ合いらしい締まった展開の中、今季３度目の先発で初勝利はお預けとなり、「ストライク先行でいける部分が多かったので良かったと思いますけど、チームは勝てなかったんで。もうちょっといいピッチングができたのかな」と悔やんだ。 　初回先頭の三好は、フルカウントから内角低めの直球で空振り三振。２死からは高橋周も３球三振に封じて、完璧な立ち上がりを見せた。二回２死三塁のピンチも、追い込んだ加藤匠を外角低めのスライダーでバットを振らせた。三回も三者凡退に抑えたが、四回に先制点を献上した。 　先頭・田中に二塁打を打たれ、続く高橋周の打球は左前に落ちる。ただここで前川がフェイクプレーを仕掛けたこともあったのか、二走・田中は三塁でストップ。無死一、三塁で中田は三ゴロに仕留めたが、併殺崩れの間に１点を失った。 　七回にも手痛い追加点を奪われた。先頭から中田、細川と得意なはずの右打者に連打を浴びて走者をためる。２死一、三塁までこぎ着けたが、村松に初球を狙われて三遊間を破られた。「２本ヒット打たれて、そっから失点してしまったんで。もうちょい抑え方があったんじゃないかなと思いましたね」と反省した。 　首位を走る竜打線に対して、７回６安打２失点で６奪三振。昨季、対中日は２戦２敗で防御率７・２７だったが、今季初対戦ではひと味違う印象は植え付けた。「前回はフォアボールで自分に勝ちがつくような試合を、自分で捨てるような感じだった。そこはずっと調整して練習通りにいけたかな」と確かな手応えもあった。次こそは必ず、自らの手でシーズン初星をつかみ取る。