「子どもたちの大きい成長につながる」1年生から9年生がいる義務教育学校 過疎地で開校 地元住民も「先生」に=静岡・川根本町【現場から、】
<9年生 大野士朗さん(14)> 「基本的なマナーを守るようにしています。(後輩に対して)僕たちがお手本となって、『こういう風に生活するんだよ』と、憧れられる存在になれたらと思っています」 柔軟にカリキュラムを組める強みを生かし、地元の企業での職業体験など「人との関わり」を教育にたっぷりと盛り込みました。 地元の人たちも「先生」として協力します。 <職業体験を受け入れたカーケア中原 中原康夫社長> 「(仕事は)人間対人間だから、口の使い方や目を見て話すことなど、身を持って覚えてもらえたら。社会性も身についていくのではと期待しています」 一方で、心配されるのが使われなくなった学校の周りからにぎわいがなくなることです。2005年に町に8校あった学校は、現在、2つの義務教育学校と川根高校の3校になりました。 <川根本町 秋元伸哉副町長> 「ここは2022年に閉校した中川根南部小学校です。校舎を現在、ドローンを使って物を配送する事業の拠点にしています」 5月に開所したドローンによる物流サービスの拠点「スカイハブ川根本町」です。 町は地区の中心となっていた学校を、新たなにぎわいの場として活用していく方針です。 <川根本町 秋元伸哉副町長> 「進路の選択で町を出る子どもたちも多いですが、将来また戻ってきたくなるような町づくりをしていくことが我々の役割だと感じています。義務教育学校は開校したばかりですが、地域の皆様、町と一体となって支えていきたい」 後期高齢者の割合が、静岡県内で最も高い町が取り組む新しい教育。地域の宝・子どもたちを町が一丸となってはぐくみます。 <島田支局 篠原大和記者> 静岡県内初めての義務教育学校は2018年に伊豆市で開校し、川根本町の2校は県内2つ目、3つ目となります。さらに牧之原市も10校の小中学校を再編して2校の義務教育学校を作る方針で、県内でも設置の動きが広がっています。
静岡放送