「避難する時間なかった」地震発生から約20分で到達…新潟・日本海側の”津波の特徴”を専門家に聞く
元日に襲った地震で、新潟県内では最大震度6弱を観測。 そして、この地震で津波も観測された。被害の状況などから、短時間で到達し川を遡上しやすいといった日本海側・新潟の津波被害の特徴が見えてきた。 【画像】地震発生から8分で津波到達した地域も!? 専門家は津波の高さは2mと分析
地震の発生後20分ほどで津波が堤防を越え、住宅のほうへと勢いよく流れ込んでいった。 自宅周辺が「海みたいだった」と話していた女性の自宅にも波は押し寄せていた。 上越市に住む女性: 避難する時間がなかった
92歳になる夫を連れて避難するのは難しく、2人で自宅2階に垂直避難したという。 上越市に住む女性: ここら辺まで水がだ~っと来た。一瞬だったけど
幸い女性の自宅に大きな被害はなかったものの、堤防を越えた水の勢いはすさまじく、道路のアスファルトも… 斎藤正昂アナウンサー: 津波の力によってはがされ、5mほど離れた位置に運ばれてきました
自宅の中まで水が押し寄せたという女性も。 上越市に住む女性: 天から地獄。水がトイレの中、お風呂の中に入ってきて、全部ひっくりかえった
川を遡上する津波「洪水よりも危険」
川を遡上する津波…専門家はここに低い土地が広がる新潟の特徴があると指摘する。 新潟大学災害・復興科学研究所 安田浩保 研究教授: 今回も河川に沿って、内陸に向かって津波が侵入するというのが複数の河川で確認された
そして、川を遡上する津波は洪水よりも危険だと警鐘を鳴らす。 新潟大学災害・復興科学研究所 安田浩保 研究教授: 海の大量の水が川に無理やり押し込まれるような状態。大量の水が洪水に比べると短時間で集中的にやってくる。洪水と比べると流れの勢いは数倍強い
日本海側は短時間で津波到達「早期の避難が重要」
津波は海岸沿いにも到達し、被害をもたらしている。 上越市 中川幹太 市長: 復旧しなければいけないので国や県と協力しながらやっていきたい
県内では柏崎市鯨波で40cm、新潟市と佐渡市鷲崎で30cmの津波を観測。佐渡市羽茂地区では漁船が津波に流され、陸にあがってしまっていた。 漁師: 全部船が浮いたということは、けっこう津波の高さがあったのでは
そして今回、改めてわかったのは日本海側では地震の発生から短時間で津波が到達すること。 新潟大学災害・復興科学研究所 安田浩保 研究教授: 震源から新潟県は100~200km離れているが、20~40分で津波が到達している。早期の避難が重要ということが今回の地震からもすぐにわかる。地震が起きた直後は、水際に近づかないということを強く呼びかけたい