中国なのに韓国・ソウルを思わせる賑わい ハングル文字が溢れる延吉市
延吉市はハングル文字が溢れ、朝鮮料理店ばかりが立ち並ぶ、にぎやかな街だ。まるで韓国ソウルにいるよう。 中国の朝鮮族は、ほかの少数民族や漢族よりも裕福な生活を送っているように見える。とくにこの地域は昔から韓国資本とのつながりがあり、貿易が発展しやすい地理的条件を備えているという。そして韓国への出稼ぎ労働は、彼らの豊かな暮らしの基礎をつくっているのだ。 朝鮮族は漢族のように北京や上海などの大都市に出て、きつい肉体労働などはしない。韓国語が話せるのをいかして、ソウルを目指す。こちらのほうがだんぜん稼げるのだ。そこで彼らは家政婦をしたり、清掃業や工場、レストランなどで働いていたりする。
延吉市内では夜ごと、韓流クラブに繰り出す若者も少なくない。韓国語で話し、テレビでは韓国語放送しか見ていない家庭も多く、衣食住すべて韓国式(朝鮮式)になっているようだ。とても中国にいる感じがしなかった。 僕が訪れたのは2013年で、現在は韓国の景気低迷にあおりを受け、出稼ぎ労働者も若干減少しているらしい。 (写真・文:村田次郎) 撮影場所:中国 吉林省 延辺朝鮮族自治州 2013年6月 ※この記事は村田次郎氏の「【フォトジャーナル】北朝鮮が見える街 中国延辺朝鮮族自治州」の一部を抜粋したものです。