日本の食がキケン…「毎日1人茶碗1杯分のご飯を捨てている」という「衝撃的実態」
国立社会保障・人口問題研究所が最新の将来推計人口を発表し、大きな話題になった。50年後の2070年には総人口が約8700万人、100年後の2120年には5000万人を割るという。 【写真】じつは知らない、「低所得家庭の子ども」3人に1人が「体験ゼロ」の衝撃! ただ、多くの人が「人口減少日本で何が起こるのか」を本当の意味では理解していない。そして、どう変わればいいのか、明確な答えを持っていない。 ベストセラー『未来の年表 業界大変化』は、製造・金融・自動車・物流・医療などの各業界で起きることを可視化し、人口減少を克服するための方策を明確に示した1冊だ。 ※本記事は河合雅司『未来の年表 業界大変化』から抜粋・編集したものです。
毎日1人茶碗1杯分のご飯を捨てている「食品ロス」
人口が急減し、しかも高齢者が増えていけば国内の食料需要も減っていく。いたずらに輸入量や生産量を増やさなくとも、ある程度は自給率が自然上昇する可能性があるということだ。 食料確保策としては、食生活の見直しや食品ロスの削減という方法もある。食料自給率を品目別に見ると、カロリーベース(2020年度)でも米は98%、野菜は76%、魚介類は51%である。日本の自給率の低迷は食生活の急速な欧米化によるところが大きいのだ。国内生産されている食材を使って料理するだけで自給率は改善する。 食品ロスについてもかなり改善の余地がある。農水省によれば2019年度の食品ロスは570万トンに上るが、これは1人あたり毎日茶碗1杯分のご飯を捨てているのとほぼ同じ量だ。570万トンのうち生産や流通過程で廃棄される事業系食品ロスが54%、各家庭で食べ残されるロスが46%である。 だが、食品ロス削減の取り組みを見ると、“自己満足”で終わっているケースが多い。典型的なのが堆肥へのリサイクルだ。「自分の食べ残しを無駄にせずに済んだ」ということだろうが、その堆肥に需要がなければ「捨てられる食品」が「捨てられる堆肥」へと姿を変えるだけである。求められるのは、食べ残さない工夫だ。