【電子版限定】熊本・天草ルートに〝魔のゾーン〟 気付かぬうちに速度上がるカーブ<セーフティーねっと=上天草署>
五橋が連なり、天草へのドライブで必ず通る国道266号。海と島々の絶景を楽しめる一方、事故が頻発する〝魔のゾーン〟がある。観光客だけでなく、地元住民も事故に遭っており、上天草署は「しっかり速度を調節して通行を」と強調する。 〝魔のゾーン〟は、上天草市松島町の天草3号橋から4号橋までの約500メートル。片側1車線で、幅員はそれぞれ3メートル程度。緩やかなカーブがある。昨年までの6年間で約40件の事故が発生。うち1件が死亡事故で、天草市方面へ向かう軽乗用車が、カーブを曲がる途中で対向車と正面衝突し、運転していた60代男性が亡くなった。 実際に車で走行すると、天草市方面へ向かう場合、ハンドルを少し左に傾ける内側カーブ。下り坂のため曲がりながら速度が上がるので、繊細なハンドル操作が求められる。車内からは高低差を感じづらく、急に速度が上昇した感覚になる。熊本市方面へ向かう場合は右に切る外カーブ。上り坂で速度が上がることはないが、幅員が狭いため圧迫感は拭えない。
この区間には車線内側に沿って破線が引いてある。幅をより狭く見せることで減速を促すためだ。道路を管理する熊本県天草広域本部は「効果のある安全対策を今後も検討する」としている。 今年はまだ同ゾーンでの事故は起きていないが、年末年始は帰省など通行するドライバーも増える。上天草署は「海の絶景に気を取られないように、ここを通過する時は前方に集中して」と呼びかける。(丸山宗一郎)