韓国、中国の安値攻勢に第3市場も危機…「若年層狙い韓流活用を」[輸出エンジンが冷める]
韓国が注力した米国と中国への輸出が次第に厳しくなる中で新たな輸出市場を積極的に開拓すべきという指摘が出る。人口増加率と経済成長率が高い「グローバルサウス」が有力な代案だ。しかしここでも韓国企業は中国の低価格攻勢と競争しなければならない。中央日報が韓国企業の輸出入業務を支援する大韓貿易投資振興公社(KOTRA)の主要5大輸出地域(北米、中国、東南アジア、西南アジア、中南米)担当本部長らと電子メールと電話でのインタビューを通じ韓国輸出の危機と機会を診断した結果だ。 インド、インドネシア、メキシコ、ブラジルなど主要なグローバルサウス市場にも中国企業は早く浸透している。東南アジアと西南アジア地域では中国企業の低価格ダンピング攻勢が熱い。イ・ヒサン東南アジア本部長は「石油化学・鉄鋼製品は中国が過剰生産をやめず韓国企業の現地シェア下落が懸念される」と話した。ピン・ジュンファ西南アジア本部長は「こちらに進出した韓国企業は米中貿易対立の風船効果が西南アジア地域に広まるか最も懸念する。中国企業が米国に輸出できない物はさらに安値で周辺国に押し寄せてくることになる」と話した。 電気自動車が代表的だ。韓国貿易協会によると昨年中国は電気自動車を954万台生産したが販売台数は841万台にとどまった。欧州と米国が中国製電気自動車規制に出ると南米と東南アジアを集中的に攻略した。その結果、昨年東南アジアの電気自動車市場で中国のシェアは75%まで上昇した。 こうした中国の輸出は新興国の自国生産中心主義と保護貿易主義を刺激している。インドは西南アジアの製造業ハブに生まれ変わるために「メーク・イン・インディア」を強調しており、タイも東南アジアの電気自動車ハブを狙っている。ピン本部長は「インドは中国の物がとても多く輸入され各種規制で食い止めようとしているが、その影響で韓国製品の輸出も減少しかねない」と懸念する。ただグローバルサウスの中国牽制を韓国が逆利用する必要もある。イ・ヒサン東南アジア本部長は「東南アジアで中国の影響力を制限しようとする認識が拡散するにつれ韓国製品が対案になりえる。東南アジアの若い層に韓国カルチャーが人気の点が機会」と指摘した。 中南米地域に進出した韓国企業はトランプ米次期大統領の米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)再検討の方向を注視している。トランプ氏のこれまでの発言のように米国がメキシコとカナダに25%の関税を課せばメキシコに生産基地を拡充した韓国企業の負担が大きくなる。しかしキム・サンスン中南米本部長は「米国とメキシコ経済の相互依存性が大きいため(米国が)関税よりは原産地規定強化などで対メキシコ貿易赤字を減らそうとするだろう。北米進出の通路としてメキシコは重要だ」と話した。 KOTRA地域本部長らは、悪材料は多くても韓国企業の機会は輸出にあると強調した。パク・ソンホ北米本部長は「米国が自国の製造業を復活させるには結局韓国の助けが切実だろう。韓国企業が米国に工場を運営すれば素材・部品輸出を牽引する効果もある」と話した。ファン・ジェウォン中国本部長は「韓中の技術格差は大きく減ったが、韓国製品は依然としてプレミアムイメージが強いので機会がある」と話した。