家計管理には“ノータッチ”だった59歳・主婦、夫の死後2年で「預貯金は残り500万円」…〈資産寿命〉を延ばすための対策は?【FPが解説】
夫婦どちらか一方が家計の管理を行っている、という家庭は多いかと思います。今回の相談者であるAさんも、家のお金を管理していた夫の急死をきっかけに、初めて家計管理を行うことに。その結果、あっという間に資産を減らし、長い老後に向け不安を募らせることになりました。Aさんが資産の寿命を延ばすために、どんな行動が求められるのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの若原恵氏が解説します。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
家計管理の担い手であった夫が急死
筆者のもとに相談に訪れたAさんは、59歳・専業主婦の女性です。2年前に夫が63歳で急死後、残してもらった資産が底を尽きてしまいそうで、慌てている様子でした。亡くなった夫は自営業でしたが、亡くなる3年ほど前、60歳のときに事業から引退して隠居生活を送っていたとのこと。 ある程度の蓄えがあったことから、老後はその蓄えを切り崩しながら夫婦の年金収入で暮らしていく予定でした。 しかし、約2年前に夫が不慮の事故で亡くなり、Aさんは途方に暮れてしまいました。なぜなら、それまでお金のことはすべて夫が管理しており、どこにどのくらいのお金があるのか、夫が亡くなるまで一切知らなかったためです。 そこで、夫と仕事上の付き合いがあった税理士に相談したところ、自宅である不動産以外の資産として、預貯金が約1,000万円、Aさんが受取人になっている生命保険が5,000万円あることが判明しました。Aさんには、すでに独立した20代の息子と娘の2人の子どもがいますが、相続税のことも考え、すべての遺産をAさんが1人で相続することに。 コロナ禍だったこともあり、葬式は家族のみで質素に済ませたものの、Aさんの実家が元々裕福な家庭だったことや、夫が会社経営者でそれなりに収入があったことから、この2年間も生活レベルは高い水準にありました。 高額な墓地を購入したり、コロナ禍のために延期になっていた娘の留学費用を全額援助したりと、生まれて初めて大きな金額を手にしたAさんは気が大きくなってしまったのか、どんどんお金を使ってしまったといいます。
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