もうダウンはいらない!? ユニクロ vs ワークマン、’24年登場の中わたアウターがすごい
2023年の冬は一時的に大雪となった地域があったものの、全国的に気温が高く、1898年の統計開始以降、第2位の高い平均気温を記録。アパレル業界ではダウンジャケットなどの防寒アウターの売り上げが不調となり、減収を報じられたメーカーが多くありました。 【画像】ユニクロの防寒アウター新シリーズ「パフテック」 それに対して2024年、ユニクロとワークマンが打ち出したのが「中わたアウター」の一手です。新素材開発で共通したキーワードは「空気」。空気は断熱効果が高く、多く含むほど軽くて暖かいアウターになるのだそうです。
ユニクロから新登場「パフテック」とは?
ユニクロで防寒アウターの中心となってきたのは、軽さが売りのウルトラライトダウンのシリーズでした。今シーズン発売になったのが、東レとの共同開発で誕生した「パフテック」です。 「パフテック」は羽毛の構造を参考に開発されました。バネ状の極細繊維を丸めた球状の中わたです。髪の毛の5分の1の細さという極細繊維は中が空洞になっており、繊維の中や間に空気を多く含むことで断熱・保温性を確保。湿度90%以上の環境でも、ふっくらとした形状を保ち、保温性が下がりにくいのだそう。 羽毛のように尖った部分がないため、中から飛び出てくることもほとんどありません。手洗いOKで、早く乾くのも特徴です。
室内でも着れて、バッグに入れて持ち歩ける
「パフテックコンパクトベスト」(税込3990円)や「パフテックコンパクトジャケット」(税込5990円)は、アウターでありながら室内でも活用できるのが利点。ウルトラライトダウンのシリーズに比べ、1000円ほど安く購入できます。 ジャケットやコートの中に着るスタイルがおしゃれです。ネック部分は折ってVネックにしても着られます。収納袋つきなので、小さくしてカバンに入れておけるのが便利。旅行にも重宝しそう。
ワークマンは「XShelterシリーズ」を開発
ワークマンの防寒アウターは、フュージョンダウンシリーズなど、これまでも低価格で購入できる中わたアウターが中心で販売されてきました。今年は、新たに開発されたXShelterシリーズが仲間入りしました。 「XShelter断熱シート」「XShelter発熱わた」は、労働寿命の延伸を目的とするワークマンの快適ワーク研究所と日本赤十字看護大学付属災害救護研究所が協力、家の断熱構造にヒントを得て開発した素材です。能登半島地震での救護活動時にも着用し、改良を重ねたそう。 「XShelter断熱シート」は中が空洞の粒々が集合した構造になっており、空気を多く含み、高い断熱性があります。「XShelter発熱わた」はナノサイズの貯蔵発熱剤が外からの光を吸収し、繊維に熱エネルギーを蓄えます。実験では「XShelter断熱シート」と「XShelter発熱わた」を重ねることで、従来のポリエステルわたと比べて+30℃の蓄熱効果が認められたそうです。 透湿性にも優れており、人間が快適に過ごせるといわれている衣服内温度31~33℃/湿度50%以下を保つウェアになっています。温度で色が変わるサーモメーターが内側に付いていて、衣服内の温度が確認できます。