夫のためにフルメイク?米欧で広がる“トラッドワイフ=伝統的な妻”とは? 日本は「専業主婦になりたい」と言いにくい? 多様な選択が尊重される&働きやすい社会どう実現
■「働かないと子どもを養っていけない、生活できない状態が問題」 日本のあり方は
労働政策研究・研修機構によると、日本の専業主婦世帯は1980年の1114万世帯から、2023年には517万世帯に減少。一方、共働き世帯は1980年の614万世帯から、2023年には1278万世帯に増えている。
共働き世帯増加の背景について、橋本氏は「“働きたいから”というよりも、働かないと子どもを養っていけない、生活できない状態になっているからだ。少子化も進み、移民を受け入れる必要性が言われる中で、女性を働かせよう、社会進出させなければいけないという国の方針になっている」と問題視する。
新藤氏は「日本の伝統的な専業主婦の時代は、男性が外で稼ぎ、女性は子育てをして家を守るという分業ができていた。社会で戦わなくてもよく、家で守られていた存在だったことに憧れる女性がいるのは自然なことだと思う」との見解を示す一方で、「女性が戦って勝ち得てきた権利も当然あるし、フェミニズム運動をリスペクトしないわけではない。ただ、専業主婦がよしとされる中で女性の全ての権利が否定されてきたかというと、必ずしもそうではないと思う」とした。 その上で、理想的な社会について、「画一的な多様性を押し付けられない社会。男性だろうと女性であろうと、“何かをしたい”“チャレンジしたい”というときに、機会が平等に与えられるのはすばらしいことだ。一方で、女性だからといって過度に下駄を履かされたり、単純に男性議員と女性議員の数を同じにしようとしたりするのはナンセンスだと思う」と投げかける。 橋本氏は「男女で性差はあるもの。体力は違うし、そもそも不平等だ。そこで平等にすべきは機会で、人数合わせの表面的な問題ではない。周りの人が女性に対して、“働け”“家に入れ”などどうこう言わないこと。その人たちが選ぶものを尊重する社会を目指すべきだと思う」と述べた。
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表の田中紀子氏は「私が子育てしていた頃は、“子どもを預けるのはかわいそう”という風潮や、三歳児神話もすごくあった。しかし、今はシングルマザーも多くいる時代で、伝統的な妻と言われてもどうしたらいいの?と困る人はいると思う。一方で働いている女性に対して文句を言う人もいるので、自分が誇りを持って選択して生きていればいいのではないか。批判を一切なくすのは難しい」との見方を示した。(『ABEMA Prime』より