給水車から水を受け取る霧島市民＝１０日、市役所お祭り広場駐車場

　鹿児島県で最大震度５強を記録した地震の影響で、鹿児島県霧島市国分の水道水の一部に濁りが見つかり、国分地区５カ所では１０日も給水が続いた。３連休の初日となる同日、給水車には水を求める市民の列ができた。市は濁った水の飲用を控えるよう呼びかけている。 【写真】〈関連〉霧島市の位置を地図で確認する

　霧島市役所前のお祭り広場駐車場には次々に市民が立ち寄り、持参の容器や無料の給水袋に水を受け取っていた。同市国分中央３丁目で居酒屋を経営する男性（４８）は「水割りやお湯割りなどに飲用水は必須。毎日予約が入っているので助かる」とほっとした様子だった。 　市上下水道部によると、国分地区の水源「台明寺水源」が地震によって濁り、水道水に影響が出た。健康には問題ないとみているが、水質検査で「濁度」の基準を満たしていない。 　濁度の基準は１リットルあたり２．０ミリグラム以内。地震発生時の８日午後４時４３分には１００ミリグラム超あったが、１０日午後５時現在で５．１４ミリグラムにまで減少した。市は同日中に基準以下になると予想している。 　霧島市のほか薩摩川内市、姶良市、鹿児島市、陸上自衛隊国分駐屯地の給水車が出動した。１１日も水道水に濁りが残れば給水を続ける。 ◇ 　京セラは１０日までに、８日の日向灘地震で霧島市の鹿児島国分工場の従業員３人がけがをしたと発表した。設備も被害を受け、同工場は生産を一部停止、同市の鹿児島隼人工場は全面的に停止した。

　京セラと消防などによると、国分工場では背中に重量物が落下した女性従業員１人がけがをした。ほか２人も打撲など軽いけがを負った。京セラは「重大な人的被害は確認していない」としている。 　国分工場は自動車や半導体関連の部品、隼人工場はプリンターの部品などを製造している。１８日までの夏季休暇中に復旧作業を進める。再開時期は未定。