好調な群馬クレインサンダーズでプロキャリアをスタートさせた淺野ケニー「プレーの幅を広げて日本を代表する選手に」
「今はまだコーチが自分に経験をさせてくれている」
契約のみならず、起用方法でも異例なことが続いた。加入後2試合目となった12月21日の島根スサノオマジック戦では先発起用された。淺野自身も期待の高さを感じているが、自分の現在地を冷静に分析する言葉が続く。「今はまだヘッドコーチが自分に経験をさせてくれているだけだと思っています。スタートだからすごいとかは全然なくて、コートに立ったら吸収していく意識を持っています。今はローテーションに入ることが目標です」 続く12月29日のアルバルク東京戦でも、存在感を示すプレーがあった。第1クォーター終盤にレオナルド・メインデルからターンオーバーを誘発して、そのままファストブレイクポイントに繋げた。クォーターの締めくくりとしてはこれ以上ない盛り上がりを作り、第2クォーターに向けた反撃の狼煙となった。その後も、メインデルやセバスチャン・サイズ、ライアン・ロシターといったリーグトップクラスの選手とのマッチアップが続いた。 結果的にファウルとなったものの、ロシターのポストアップに身体を張ったディフェンスで対応した場面では会場から大きな拍手が湧き上がった。淺野は「まずはディフェンスで穴にならないように、リーグの強度に慣れたディフェンスをできるようにしたいです」と話したが、その奮闘は誰もが認めるものだった。 淺野の合流後、島根やA東京といった上位チームにも連勝が続いている群馬だが、引き続き上位陣との連戦が続く。今週末の名古屋ダイヤモンドドルフィンズを経て、8日には天皇杯クォーターファイナルで三遠との対戦が待っている。 古巣との対戦を淺野も心待ちにしている様子だ。「昨シーズンお世話になり自分を成長させてくれたチームですので、大野さんやコーチ陣、選手やブースターの方に大きくなった姿を見せられたらと思っています。本当に負けたくないです(笑)。そこが一番です!」 プロキャリアをスタートさせたばかりの選手にとっては、伸ばすべきところが多いのは当然だ。淺野にとって一つひとつの経験が着実に身になっているだろう。将来的にはどのようなプレーヤー像を思い描いているのだろうか。「Bリーグには2メートル近い日本人選手のスコアラーはいないので、自分がそうなっていきたいです。スポットシューターで終わるのではなく、プレーの幅を広げて日本を代表する選手になりたいです」 レギュラーシーズンの折り返しまであと少し。現状はチームにとっても淺野に経験を積ませるフェーズかもしれないが、東地区2位でチャンピオンシップが視野に入ってるチームにとって、今後の淺野の存在がチーム力の底上げに直結してくるのは間違いない。