戦闘民族だからこそ?『ドラゴンボール』敵に塩を送って窮地に陥ったサイヤ人たち
10月11日より放送が開始された『ドラゴンボール』待望の新作『ドラゴンボールDAIMA』。鳥山明さんが我々に残してくれた本作は第1話から驚きの展開を見せ、世界中のファンの間で熱狂を巻き起こしている。 ■【画像】「え、どうしちゃったの」爆笑を呼んだ『ドラゴンボール』地球にすっかり馴染んだベジータ■ そんな物語の中心には、主人公の孫悟空をはじめとした戦闘民族・サイヤ人がいる。数々の激闘を見せてくれる彼らだが、戦いのなかで己の欲求を満たすため“敵に塩を送る”行為が時折見られ、それにより状況が一転することも多い。 今回は、そんなサイヤ人たちが敵に塩を送ったシーンをいくつか取り上げ、その後どのような展開に繋がったかをいくつか紹介していこうと思う。
■ベジータの運命を変えた運命の3時間
まずは、「サイヤ人編」で、ベジータが悟空の到着を待ったシーンを紹介しよう。 地球に襲来したベジータやナッパと、一時的に悟空不在で戦うことを余儀なくされたクリリンら地球の戦士たち。ヤムチャ・餃子・天津飯が次々と命を落とし「悟空ーー!!!! はやくきてくれーーっ!!!!」と、クリリンが悲痛の叫びを漏らす。 この“悟空”という名にピンときたベジータは、クリリンたちに襲いかかるナッパを寸前で静止し、3時間もの停戦を提案するのである。ベジータの意志は固く、静止を振り切ろうとしたナッパに激昂するほどだった。 ベジータの意図としては、現れた悟空の目の前でクリリンたちを全員殺害することで、サイヤ人の裏切り者である悟空に地獄のような絶望を与えるというものであった。結果的に悟空は3時間以内に現れずピッコロが犠牲となってしまうが、クリリンと悟飯が生き残っていたことがのちにベジータの敗因に大きく寄与している。 自身の敗北を招き、やがて地球にすっかり馴染んでいった彼の未来を考えると、この3時間がもたらした意味はことさら大きいと言えるだろう。
■悪の帝王にも修行を促す悟空の優しさ
続いては、「フリーザ編」終盤で見られた悟空の行動を紹介しよう。 怒りで超サイヤ人に覚醒した悟空はフリーザを圧倒。恐怖にまみれプライドもズタズタになったフリーザに対し見切りをつけた悟空は「二度と 悪さすんじゃねぇぞ」と、地球に帰ろうとするのだ。 さらに、執拗に追撃してくるフリーザを軽くあしらい「どうしても決着をつけたかったら 体力を回復させ さらにウデをみがくんだな」と、“宇宙の帝王”に修行を促すのである。その後、冷静さを欠き自身の技で半身となったフリーザに対しても、命乞いに応じて“気”を分け与えることで延命させるにいたっている。 最終的には、あまりにもしつこいフリーザに対して不本意ながら応戦することで決着がつく。その時の悟空が見せる悲しげな表情も相まって、読者もどこかモヤモヤが残る決着シーンとなった。 「フリーザ編」終盤は、悟空の底抜けの優しさやサイヤ人としての闘争本能が、作中最も色濃く描かれたシーンではないだろうか。