「GKは50%、頭の中で決まる」プロ1年目のオランダで正守護神を張る19歳・長田澪は“地獄のゲーム”からいかに這い上がったのか。気になるメンタルトレの一端を明かす【現地発】
「ガチガチに緊張していたらダメ。リラックスしすぎてもダメ」
しばらく長田は大量失点が続いた。その窮状をブレーメンのGKコーチに相談すると「お薦めの人がいるよ」とメンタルコーチを紹介してくれた。 週に一度、オンラインを使ってのセッション。そのメソッドの一端は「小さなことを喜ぶ。そのことを積み重ねる」というもの。朝起きたら「今日はよく寝れた。ナイス!」といった本当に些細なことにも喜びを感じ続けると、試合当日、「今日の俺は落ち着いている。俺って今日、調子良いぞ」という感覚が生まれる。 「ストレスのバランスを取ること」にも留意している。人間はストレスが多すぎても、少なすぎてもダメな生き物だ。 「試合に入るときにガチガチに緊張していたらダメ。リラックスしすぎてもダメ。そういうメンタルの持って行き方が、試合を重ねるに連れて良くなっています。技術とメンタルが繋がって、それが試合に出ているのを感じています。俺は『GKは50%、頭の中で決まる』と思っています。実はメンタルコーチのトレーニングは金銭的にかなり高いんです。だけど高価な服を買ったりするよりずっといい。自分への投資です」 次節からはオランダリーグの後半戦だ。残り17試合、長田はどのようなテーマで挑むのか。 「まずは絶対に残留すること。あとは試合に出続けること。悪いプレーをしたあと、うちのセカンドキーパーが『俺を試合に出してくれ』と言っていることを知っています。それでもチームは俺を継続して使ってくれている。だから、自分は文句なしのナンバーワンキーパーにならないといけない。イエローカードは3枚。あと2枚で出場停止です。試合に出続けるためにも、カードにも気をつけないといけません。課題はいっぱいあるので、試合に出続けながら改善を図っていきたい」 取材・文●中田 徹
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