インドネシア中銀、金利据え置き 物価・通貨安定に「整合的」
[ジャカルタ 22日 ロイター] - インドネシア中央銀行は22日、政策金利を予想通り据え置いた。先月は予想外に昨年10月以来となる利上げをしたが、今回は、現行の金利水準がインフレ抑制と通貨ルピアの安定維持に整合的との認識を示した。 主要政策金利の7日物リバースレポ金利を6.25%に据え置いた。翌日物預金金利と貸出金利もそれぞれ5.50%と7.00%に 据え置いた。 0.25%ポイントの利上げを決定した4月にルピアは対米ドルで4年ぶり安値まで下落した。その後幾分持ち直したが、米国の金融政策の見通しや地政学リスクに振れやすい状況が続いている。 ペリー・ワルジヨ総裁は会見で、4月の利上げは、米連邦準備理事会(FRB)が年内に利下げしない場合の資本流出を予想して決めたと説明。その上で、最近のデータやFRB高官発言から年内利下げが最も可能性が高いと指摘。また4月会合以降、それ以外の外部要因も改善したとの見方を示した。 今回の決定について、ルピアの安定と国内への資金流入を維持しつつ、インフレを目標内に確実に抑制するための「安定性重視の金融政策」に沿ったものだと説明した。今後もデータを踏まえて政策を決定していくとした。 キャピタル・エコノミクスのアナリスト、ガレス・レザー氏は、FRBが利下げすれば、インドネシア中銀の利下げの道が開かれると指摘。「今後数カ月は据え置くだろうが、今年中に利下げする可能性は十分ある」とし、タイミングはルピア相場次第になると述べた。 総裁は、インドネシア資産が投資家にとって魅力的なリターンを提供しており、ルピアは強含みで安定するとの見方を示した。 中銀は2024年の成長率予想を4.7─5.5%に据え置いた。昨年は5.05%だった。