水原一平容疑者が違法賭博の“沼”にハマり総額280億円負けるまで…胴元との生々しいやり取り
「ショウヘイ」が華々しくスポットライトを浴びる裏で、「イッペイ」はギャンブルの沼にはまっていったようだ。米連邦検察は11日、大リーグ「ドジャース」の大谷翔平選手の元通訳・水原一平容疑者(39)を銀行詐欺容疑で訴追したと発表。違法スポーツ賭博で抱えた借金返済のため、大谷の銀行口座から無断で1600万ドル(約24億5000万円)以上を不正送金した疑いだ。訴状から浮かび上がる水原の素顔とは──。 【写真】醜聞発覚前の水原一平夫妻のツーショット 幸せの絶頂かに思われていたのに… ◇ ◇ ◇ 先月20日に問題が発覚して以降、約3週間姿を消していた水原容疑者は13日、ロサンゼルスの連邦地裁に出廷。今回の訴追を受けた手続きが行われ、2万5000ドル(約380万円)を支払うことなどを条件に保釈が認められた。 捜査を手掛けた米国税庁犯罪捜査局のクリス・シーモア特別捜査官が裁判所に提出した訴状は宣誓供述書を含めて計37枚に上る。供述書によると、水原容疑者が違法賭博に手を染め始めたのは2021年9月ごろ。同年12月から24年1月にかけ賭博回数は1万9000回、1日平均にして25回にも上ったという。賭け金は1回あたり平均1万2800ドル(約195万円)だった。 勝ち額は総額1億4200万ドル(約217億円)だったが、負けは総額1億8300万ドル(約280億円)。差し引き4067万8436ドル(約62億円)を溶かした。 大谷については、捜査当局は口座から金を盗まれた「被害者」と認定。違法賭博などの不正行為に関与していないと結論付けた。 供述書で際立っているのが、水原容疑者と胴元の「ブックメーカー」(賭け屋)とのやりとりの生々しさだ。両者のテキストメッセージから、ギャンブルに溺れていく様子が読み取れる。 ■上限額の引き上げを懇願 スポーツ賭博を始めた頃、水原容疑者が胴元へ送ったメッセージは〈サッカーでやらかしちゃったよ(爆笑)。UCLAに賭けたけど、全然ダメだった!!!〉(21年9月24日)。あまり深刻そうな雰囲気はないが、3カ月後、胴元に〈私の(賭け)アカウントは復活できるのかな? 全部すっちゃって〉(22年1月2日)と賭け金の限度額の引き上げを“お願い”。その2週間後には〈クソ、全部すっちゃった(爆笑)…また5万上げてくれない? これで負けたらしばらくやめる〉(22年1月15日)と、ギャンブルの沼にドップリ漬かった様子がうかがえる。 案の定、その後も転落の一途をたどる。胴元に〈スポーツ賭博はめちゃくちゃ苦手(爆笑)…また(限度額を)上げられるかな?〉(22年11月14日)と懇願。大谷の存在をチラつかせたのか、〈知っての通り、支払いは心配する必要ないから!〉(同)と念押しして以降、「最後だから」と繰り返すようになる。 〈もう200上げてくれない? 母親に誓ってこれが最後だから〉(22年12月9日) 〈またやられちゃったよ(爆笑)…最後に(限度額を)上げられない? こんど負けたら、しばらくこれで最後にする…〉(23年6月22日) ■「最後の最後の最後に…」 見かねた胴元は〈最低でも毎週500返してくれるなら、好きなだけ限度額を上げてやる〉と条件を提示。それでも、水原容疑者は〈最後に上げてくれない? 大きく持ち崩す前にこれが最後だと誓うよ〉(23年6月23日)、〈問題発生(爆笑)…最後の最後の最後に上げてくれない? これはマジだから…マジの最後だから〉(23年6月24日)と反省しなかった。 毎週の支払いを遅滞したのか、怒った胴元が〈なぜ電話を折り返さないのか〉と詰問。〈オオタニが犬を連れてニューポートビーチを散歩してるけど、近づいて、君(水原容疑者)から返事がない場合はどうやって連絡を取ればよいのか聞いてもいいのか?〉(23年11月17日)と脅し文句を並べることもあった。 地元紙ロサンゼルス・タイムズなどで違法賭博疑惑が初めて報じられた先月20日、〈報道は全部デタラメだ〉と指摘した胴元に、水原容疑者はこう吐露したという。 〈厳密には私が彼(大谷)から盗んだんだ。もうおしまいだ〉 銀行詐欺罪は、最大で禁錮30年の刑が科される。刹那の興奮を求め信頼を裏切った代償は、あまりにデカい。