【取手競輪・GⅡウィナーズC】伊藤颯馬が1着で2予を突破、北津留翼―山田英明も準決へ
<22日・取手競輪・2日目> <九州王国 再興へ> 九州勢は3人が準決に進した。北津留翼―山田英明は2、3着で、伊藤颯馬は白星での2予突破だった。 3着までが勝ち上がる2予の最初の6R、北津留と山田は人気に応えるワンツーは実現できなかったが、きっちりと確定板に載った。鐘4角カマシで逃げた窓場千加頼―稲川翔の近畿勢を追った勢いで捲った北津留だが、窓場を乗り越えられず。「思ったより自転車が出ない。あと半車輪くらい出てくれないと」と窓場に逃げ切りを許して首をかしげた。「部品を換えるなどしてみたけど、まだ気づいていないところがあるのかな。もう少し考えてみます」。セッティングを出すことにかけては定評のある北津留のこと、準決では改善してくるはずだ。 山田は3角で稲川に大きくブロックされる大ピンチ。イエローラインの上まで振られながらも、直線では北津留に迫ってみせた。「のどが痛くて声が出ないけど、初日よりは少しマシ」と、かすれ声を振り絞った。「せき止め薬が効かない。のどあめやうがいで対応しています」。それでも北津留との2予突破には上機嫌。2月の全日本選抜に続くビッグレースでの準決勝ち上がりに笑顔が絶えなかった。
続く7R、荒井崇博が落車棄権、嘉永泰斗が失格という暗雲が垂れこめたが、11Rで伊藤が振り払ってくれた。伊藤は抜け出した松井宏佑と河端朋之、3番手の佐藤慎太郎を終2角で追う展開。道中は位置取り争いもありながら、力強くその全員を捉えた。「ここまでこられるとは思っていなかった」とうれしい誤算だ。 戦前には「自分は風には強くない。軽量級なので。沖縄も風は強いけど、こんな寒風ではないし吹き方も違う」と不安があった。前検日の前々日から取手に入って練習。そこでの強風にもてこずった。だがその前には沖縄で韓国の競輪選手と練習。「8人来ていて、SSが2人。すごく強かった」。国境を越えた合同練習が脚をつくり上げていたようだ。「最終日は誕生日なんですよ」。苦手の風を突破した伊藤が、人生最高のバースデーを迎えるかもしれない。