トランプ氏、商務長官に「関税支持派」起用 教育長官にプロレス「WWE」創設者、公的医療保険トップにタレント医師
トランプ次期米大統領は19日、商務長官に実業家のハワード・ラトニック氏を指名すると発表した。トランプ氏が掲げる関税政策を通じ、製造業の米国内回帰を支えるとみられる。このほか教育長官にプロレス団体「WWE」の共同創設者リンダ・マクマホン氏、公的医療保険を運営する機関のトップにタレントで外科医の「ドクター・オズ」こと、メフメット・オズ氏をそれぞれ指名した。 トランプ次期米大統領は19日、商務長官に実業家のハワード・ラトニック氏を指名すると発表した。投資銀行家であるラトニック氏は、中国のハイテク分野に対する司令塔となる商務省で、トランプ政権の貿易・関税戦略を主導することとなる。 ラトニック氏はトランプ氏の長年の友人で、製造業の雇用を米国に戻し、暗号通貨を推進するというトランプ氏の政策を支持している。 ラトニック氏は中国についてあまり公言しないが、関税、とりわけ対中関税の強力な支持者でもある。米紙ニューヨーク・タイムズによると、ラトニック氏は先月ポッドキャストの番組で「国民に課税しないで、中国に関税をかけて4000億ドル儲けろ」と語ったという。 ラトニック氏の指名は、商務長官の座を争っていた他の2人のトランプ氏支持者、リンダ・マクマホン元中小企業局長らにとって打撃となった。 米CNNは19日、マクマホン氏を教育長官に指名する見通しだと伝えた。トランプ氏は選挙戦で教育省廃止を公約に掲げていた。 マクマホン氏はプロレス団体「WWE」の共同創設者であり、元CEO。2016年米大統領選挙の際の、トランプ陣営の大口献金者であり、1期目のトランプ政権で中小企業局長を務めた。 さらにトランプ氏は19日、「ドクター・オズ」として知られるテレビタレントで外科医のメフメット・オズ氏をメディケア・メディケイド・センター(CMS)の長官に起用すると発表した。 CMSの年間予算は2.6兆ドル(約400兆円)。高齢者向け公的医療保険「メディケア」と低所得層向けの公的医療保険「メディケイド」を、合計1億4000万人の米国民に提供している。 トランプ氏は選挙期間中、メディケアを削減することはないと述べたが、メディケイドに対する連邦政府補助金は2025年末に終了させると予想されている。