海外メディアが特集…バスケットボール男子日本代表の未来が楽しみ5つの理由
パリオリンピックを経て「日本のバスケットボールは着実に成長している」と感じるのは、国民という贔屓目なフィルターを通しているからではない。開催国であり、決勝までたどり着いたフランスをあと10秒のところまで追い詰め、予選ラウンドのスタッツランキングでは複数の選手がランキング上位に食い込み、その活躍には世界から賞賛の声が相次いだ。 『BasketNews』でシニアライターを担当するドナタス・ウルボナスも、本大会における日本の活躍に感銘を受けた人物の1人だ。同氏は「オリンピック後に日本のバスケットボールが楽しみな5つの理由」という見出しで、AKATSUKI JAPANの未来に希望を見出している。 まず最初に言及されたのが、河村勇輝の存在だ。ウルボナス氏は大会で2番目に低身長の小兵を“グループステージで最も目立ち、最も面白かった選手”と紹介。選手評価は数倍に跳ね上がり、メンフィス・グリズリーズとのエグジビット10契約にも言及され、ヤニス・アデトクンボやシェイ・ギルジアス・アレクサンダーと肩を並べる大会トップ5の得点能力には手放しで賛辞が送られている。一方で、ショット選択と感情的なゲームコントロールについては伸び代とコメント。また、身長の懸念は拭えず、アメリカでのプレーを選択した場合、Gリーグからのキャリアスタートが有力と予想している。 もちろん、八村塁と渡邊雄太の存在も心強い。ロサンゼルス・レイカーズのフォワードは予選ラウンド2試合で平均22得点という圧倒的な数字をマーク。ショットクリエイション、運動能力、フィジカルはどれを取っても世界トップレベルにあり、チームメートとの時間が増えればその脅威はまだまだ膨らむ可能性を秘めている。 一方の渡邊については、リーダーシップとコート上のファシリテーションが高く評価されている。オリンピック前はコンディションが安定せず、NBAでも決して潤沢なプレータイムが与えられていたわけではない。しかし、移籍先の千葉ジェッツではエース格を任されることが必至であり、アメリカで培った経験とスキルは成熟していくはず。29歳という年齢もキャリアの絶頂期にあり、4年後は今まで以上に頼れるベテランとしてチームを支えていることだろう。 残り2つの理由のひとつが、河村と同い年コンビを組む飛び道具、富永啓生である。ウルボナスは桜丘産のピュアシューターを“和製カリー”としてピックアップし、NCAAのラストイヤーで披露したパフォーマンスに目を奪われたと記載。また、リールでの取材ではオリンピックが「紛れもなく良い経験になった」と語り、「トップレベルの選手と自分を比較することができた。もっとフィジカルを鍛え、ディフェンスを磨かなければいけない」と自ら課題を明確にし、彼の持つ献身性と努力する才能に期待を寄せている。 そして、Bリーグの成長も日本バスケを底上げしている。リーグの成長についてはNBA規模の新アリーナの建設計画や、総額10億円規模の契約準備による海外選手たちからの評価がその証明としており、一貫性と正しいコミュニケーションが行われれば、正しい方向に進むとしている。 渡邊は試合後、チームメートたちに「胸張って日本帰るぞ」と声をかけた。ヤニス・アデトクンボも過去の会見の場で「目標を掲げて働く。それは失敗ではなく、成功へのステップがあるからこそだ」と力強く言い放った。 夢と希望は紡がれるもの。日本バスケの未来は明るい。 文=Meiji
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