オコエが潰される?! 球界大御所が楽天のオコエの育成手法に警鐘。
そしてオコエだけに注目が集まる状況が新たなる問題を呼ぶ危険性もあるという。 「今、他の外野手はどう考えているのか。もし先輩たちが『オコエはいい選手だから俺たちが目立たないのもしょうがないよな』と思っているようなら、典型的な弱小チームの体質が宿ってしまっていることになる。外から見ていると、他の外野手の反発心が見えてこないし、そこが情けない。他の選手は指をくわえてオコエフィーバーを見ているようじゃダメだ。『俺たちがいる、オコエがなんだ!』とやり返さねば。そういうものが出てこなければ、オコエの存在がチームにとってマイナスになってしまう」 楽天の今季外野陣を見てみると、レギュラー当確は松井稼頭央ただ一人だが、新外国人のゴームスは間違いなく使うだろう。梨田監督は、開幕一軍メンバーを「野手トータルで17人程度」と発言していることを見ると、おそらく外野の1軍枠は6人で、残る4枠を巡って、岡島豪郎(26)、聖澤諒(30)、福田将儀(23)、牧田明久(33)、枡田慎太郎(28)、島内宏明(26)、そしてオコエが争っている状況。 岡島、聖澤、福田は、1軍抜擢されるだろうが、実質、オコエと開幕1軍を競争している牧田、桝田、島内にしてもアピールは物足りない。広岡氏が指摘するようにオコエの存在がチーム内競争を刺激せず、逆効果になっているようでは問題である。 いよいよ3日に倉敷で行われる西武戦からオープン戦が本格化していく。卒業式か、オープン戦出場かの選択で、オコエは、卒業式を選んだようだが、それもちょうどいい休息になっていいのかもしれない。プロ野球界の将来を担う逸材だけに広岡氏の危惧することが杞憂に終われば言うことがないのだが。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)