ワタリウム美術館のコレクション展『I LOVE ART』2月4日から 「カモフラージュ」をテーマにウォーホル、ボイスらの作品と3組のゲストの近作を展示
自身の存在を隠し、周囲に溶け込むことを意味する言葉「カモフラージュ」をキーワードとし、自館のコレクションより11名のアーティストと、ゲストとして迎えた3名の現代美術家の作品計約80点を展観する展覧会が、2月4日(日)から 5月6日(月・祝)まで、外苑前・ワタリウム美術館で開催される。 【全ての画像】『I LOVE ART18 パーフェクト・カモフラージュ展 私はアートになりたい』広報用画像(全9枚) 4章立ての展覧会の第1章「日常にカモフラージュする」にまず登場するのは、「僕は機械になりたい。機械になりたいから、こんな絵の描き方をするんだ」という言葉を残したポップアートの巨匠アンディ・ウォーホル。日常生活や大衆文化に見られるモチーフを題材としたウォーホルは、シルクスリーンなどの複製手法を用いて、意図的に摺りをずらしたり、インクをはみ出させたりすることで独自のイメージを生み出した。 第2章「自然にカモフラージュする」には、自ら育てた荒地植物を各所に植え付けるガーデン・プロジェクトを通じて、自然とアートに関する議論に影響を与えたロイス・ワインバーガーらが登場。さらに第3章の「記憶にカモフラージュする」には、ヨーゼフ・ボイスやクリスチャン・ボルタンスキーらの、また第4章の「空間にカモフラージュする」には、ナムジュン・パイクやキース・へリングら時代を画したビッグネームの作品が並ぶ。優れた現代アートのコレクションを誇る同館の優品の数々を、新たな切り口から見られるのが同展の興味深いところだ。 今回のゲスト作家は3名。日常空間に本来あるはずのないイメージを用い、幻想的な映像作品を制作してきたさわひらきは、近年は特に映像と音楽を組み合わせたインスタレーションを展開する。微視と巨視を行き来するような独自の視点から、透明な色彩が際立つ詩情豊かな写真作品を生み出す野口里佳は、近年は写真にとどまらず、現代美術の国際展でも活躍中だ。シンプルなモチーフの絵画で知られる杉戸洋は、近年は建築と作品が相互に作用し合う新たな展示空間の創出を試みている。現代アートシーンで活躍する3人の日本人作家の近作にふれられることも、同展の大きな魅力のひとつとなっている。 <開催概要> 『I LOVE ART18 パーフェクト・カモフラージュ展 私はアートになりたい』 会期:2024年2月4日(日)~5月6日(月・祝) 会場:ワタリウム美術館