市が第2次自殺対策計画 相談窓口の周知、女性や働く世代への支援強化など【宇部】
宇部市は、第2次自殺対策計画「いのちを大切にするまちプラン」を策定した。「みんなで気づき 絆でつながり いのちを大切にするまち」を基本理念に、誰もが自殺に追い込まれることのない社会の実現に向け、計画に沿い、地域が一体となって実践的な取り組みを行っていく。計画期間は2024~28年度の5年間。 市は、19年度に国の自殺対策基本法、自殺総合対策大綱に基づき、5年間の自殺対策の方向性をまとめた第1次計画を策定。自殺者数の減少と心の健康の実現を目指した取り組みを進めてきた。 1次計画期間中の人口10万人当たりの年間自殺者数となる自殺死亡率の平均は16・3で、全国平均の16・6を下回った。一方で、年間30人前後が自殺しており、年代別では20歳代、40歳代、80歳代が多い。 2次計画では、相談窓口などの周知徹底、困難を複数抱える人への重層的支援、支える側への支援など、前計画の実行で課題に上がってきた諸問題に対応するため、重点施策を六つに増やした。若者、女性、働く世代に対する自殺対策を強化し、生活困窮者と支える側への支援体制のさらなる整備に努め、高齢者の孤立防止と社会参加の支援も行っていく。 具体的な取り組みとして、今年度中に相談窓口の一覧表を自殺の動機になりかねない要因ごとにまとめて改訂。重層的な支援体制に向けて、庁内10課を横断した庁内連携会議を設置し、事業所向けにメンタルヘルス講座などの健康づくり出前講座を実施する。 数値目標として、自殺死亡率を前計画の最終年(23年度)の目標12・4をさらに下回る11・8以下を掲げた。健康増進課の伊藤志奈子課長は「自殺対策は生きることへの支援。悩みは誰もが抱えるものであり、自殺を人ごとと思わず、相談できる場所があることを知ってもらうことが大事。しっかりと周知徹底していきたい」と話した。