BNP、シンガポールのオフィススペースを手放す方針-賃料高騰で
(ブルームバーグ): フランスの銀行BNPパリバは、シンガポールの一等地にあるオフィスタワーのスペースを手放す方針だ。事情に詳しい関係者が明らかにした。金融センターであるシンガポールの商業用物件の賃貸料は上昇している。
BNPは現在「オーシャンフィナンシャルセンター」の6フロアを利用しいてるが、年末のリース契約満了時にはスペースの一部の契約を更新しない予定だという。非公開の情報だとして匿名を求めた関係者は、この動きはコスト抑制につながると付け加えた。
BNPは10-12月(第4四半期)から、バックエンドスタッフを中心とした少なくとも300人を、南部地区にあるビジネスパークの「メープルツリー・ビジネスシティー」に移動させる予定だという。この計画は最終的なものではなく、変更される可能性もある。
富裕層やファミリーオフィスの流入を背景にシンガポールの商業施設の賃料が上昇する中、企業はコスト削減に動いている。ジョーンズ・ラング・ラサールのデータによると、ビジネス街のプライムオフィスの賃料は1-3月(第1四半期)に急上昇し、15年ぶりの高水準となった。
BNPはシンガポールに約2000人の従業員を抱える。同行は電子メールでのコメントを避けた。オーシャンフィナンシャルセンターの過半数を所有するケッペルREITもコメントを控えた。
メープルツリーは政府系投資会社のテマセク・ホールディングスが出資する不動産投資信託(REIT)のメープルツリー・パン・アジア・コマーシャル・トラストが所有。同REITもコメントを控えた。
原題:BNP Paribas to Cut Space in Singapore Tower Amid High Rents (1)(抜粋)
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Yihui Xie, Low De Wei, Elffie Chew