竹久夢二の幻の名画《アマリリス》を初公開 『生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界』東京都庭園美術館で
東京都庭園美術館では、2024年6月1日(土)より『生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界』を開催する。大正ロマンを象徴する画家・竹久夢二(1884-1934)の生誕140年と没後90年を記念して、その生涯をたどり、新発見の作品や最新の研究成果をもとに紹介する展覧会だ。 【全ての画像】《憩い(女)》ほか 1884年(明治17)、岡山県に生まれた竹久夢二は、正規の美術教育を受けることなく独学で自身の画風を確立し、「夢二式」と言われる情緒的な美人画で一世を風靡した。さらにデザイナーの草分けとしても活躍。本や雑誌の装丁はもとより、彼が企画・デザインした衣服や雑貨などは若い女性を中心に人気を博し、人々の生活を彩った。 《憩い(女)》昭和初期 夢二郷土美術館蔵 旧朝香宮邸という邸宅空間で夢二の世界を堪能できる同展でまず注目したいのは、今まであまり紹介されてこなかった彼の油彩画が多数紹介されることだ。なかでもかつて東京・本郷の「菊富士ホテル」の応接間を飾っていた名画《アマリリス》は必見。同作はホテルの閉館後長らく行方不明になり、近年の調査で発見された幻の作品で、鉢植えのアマリリスとともに、後に夢二の恋人となったお葉を描いたとされている。ホテルの常連であった文豪・谷崎潤一郎や坂口安吾も目にしていたことだろう。 その他、彼が晩年の1931年(昭和6)から2年に渡って欧米を巡った時のスケッチブックの初公開や、夢二プロデュースの元祖ファンシーショップ「港屋絵草子店」のおしゃれでかわいいプロダクトも紹介する。港屋では封筒や千代紙など、夢二がデザインした様々な小間物の他、帯や半襟、浴衣など身につけるものも扱った。その独得なデザインは、彼の没後90年たってなお、新鮮な感動を私たちに与えてくれるはずだ。 《セノオ楽譜〈恨まじ君をば〉》1924(大正13)年 夢二郷土美術館蔵 講演会やギャラリートーク、また障害がある人や赤ちゃん連れの人が楽しめる「フラットデー」などの情報は、美術館ウェブサイトで確認を。 <開催概要> 『生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界』 会期:2024年6月1日(土)~8月25日(日) 会場:東京都庭園美術館(本館+新館)