「あとでたっぷりお仕置きだ」鵺とひまりの“顎クイ”シーンにキュン♡の大反響<百千さん家のあやかし王子>
テレビアニメ「百千さん家のあやかし王子」(毎週金曜深夜0:00-0:30、TOKYO MXほか/ABEMA・Huluほかで配信)の第6話が2月9日(金)に放送された。葵の式神・紫の過去が明らかに。映像の美しさと劇伴の荘重さが際立つ紫と龍神のエピソードはもちろんのこと、ラストで見せた鵺の“顎クイ”が反響を呼んだ。 【写真】切なげな思いつめた表情をみせる紫 ■「百千さん家のあやかし王子」とは 本作は、漫画雑誌「ASUKA」(KADOKAWA)にて、2013年から2019年にかけて連載され、累計発行部数110万部以上、10言語で翻訳・出版されるなど海外でも人気を集めている硝音あやによる漫画が原作。亡き両親の遺言状により、山奥の日本家屋を相続することになったヒロイン・百千ひまり(CV:川井田夏海)と、そこに住み着くあやかしたちとの生活が描かれる。 2015年には実写舞台化もされ好評を得た“あやかし系和風ファンタジー”がこの度、満を持してアニメ化された。「七つの大罪 怨嗟のエジンバラ」のボブ白旗が監督を務め、「うちの会社の小さい先輩の話」の蒼樹靖子がシリーズ構成を担当。アニメーション制作はドライブが担当する。 ■紫消滅の危機に際した葵の変化 ある日、葵(CV大塚剛央)は、水場にしている泉の穢れをどうにかしてほしいとあやかしから相談を受ける。幽世の泉の水源は龍神の聖域のため、本来、穢れることはなく綺麗に保たれているそうだ。 その出来事から、第6話では紫(CV:立花慎之介)が元人間であることが明らかに。かつて生贄として龍神に捧げられ、水蛇(みずち)となった紫。その後、葵の式神となるまで龍神に眷属として仕えていた。ゆえに龍神と言葉を交わせる紫が水瓶を使って言葉を交わそうと試みるが、何の反応も得られなかったという。 龍神に何かあったのではと改めて泉に向かう葵たち。すると、あやかしが触れると身が腐る穢水が広がり、泉はあっという間に真っ黒に。それと同時に紫が倒れてしまい、妖力が弱まっていく。 龍神と言葉を交わすには眷属か、もしくは生贄になるしかない。ひまりは自分が生贄になるというが、葵はそれに猛反発。だが、紫を助けたい気持ちは葵も一緒だった。ある日突然、百千家の御守様に指名され、屋敷の外に出られなくなった葵。紫はそんな葵の親代わりのような存在となってくれた。 その紫が消滅してしまうかもしれないという状況に立たされた葵は、ついひまりにも声を荒げてしまう。いつもは一人で全てを背負いこみ、ひまりには心配をかけまいと気丈に振る舞う葵が初めて見せる余裕のない姿。それくらい危機的状況であるということに加え、葵が少しずつひまりに対して甘えられるようになっていることが分かる場面だった。 ■紫の悲しき過去が明らかに 自ら生贄となり、紫を救いたいというひまりの決意は固く、葵も無茶はしないという約束で許可する。翌日、泉に立つひまり。鵺に変身した葵がひまりを生贄として捧げる儀式を始めると、泉の中から祟り神となった龍神が飛び出してくる。 どうやら穢れの元凶は泉の守り神である龍神自身だったよう。ひまりは泉に飲み込まれ、駆けつけた紫が助けに入るのだった。2人の意識が泉の中で溶け合い、紫の記憶がひまりの脳内へ流れ込む。 幼い頃、時の帝を殺す暗殺者として育てられた紫。結果的に帝は別の者たちに殺められたが、その者たちに紫も命を狙われ、全員を返り討ちにした。そのことで人喰いと人々に恐れられるようになった紫は帝暗殺の罪を背負わされ、龍神に生贄として捧げられることとなる。 「そのことに、怒りや悲しみも後悔もない」という紫の台詞が印象的だ。紫にはどこか自分に見切りをつけている節がある。龍神がそんな紫を水蛇へと生まれ変わらせ、百千家に行けと命令したのは紫が寂しそうだったからではないかとひまりは言う。龍神が紫と会おうとしなかったのも理由があるはずだと。 ■鵺の“顎クイ”に反響 その後、ひまりは龍神の体に呪札が貼られていることに気づく。その呪札を外したことをきっかけに、龍神はようやく元の姿に戻り、言葉を交わすことができるように。 そこで明らかになる龍神の本当の思い。ひまりが言った通り、龍神が紫に百千家に行くよう命令したのは紫の孤独を癒すためだった。その上で心が優しい紫が迷わぬよう、姿を見せないようにしていたという龍神。だが、龍神の方が孤独に負けてしまい、自らに害をなそうとする者にさえ気づけなかったという。 心を取り戻した龍神によって穢れた泉はみるみるうちに澄み渡っていく。「またこちらの滝へ巡っていらっしゃる時はお声を聞かせてください」と紫が声をかけると、龍神の目からは涙が溢れた。 人間にもあやかしにも心がある。その心を閉ざしたとしても孤独は隠れただけでなくなるわけではない。だから心を失わず、他者との繋がりを持って満たし続ける。その大切さを教えてくれた紫と龍神のエピソードでは、映像の美しさと劇伴の荘重さが際立った。 放送後、視聴者から「紫さんもひまりちゃんも無事でよかった」「みんなが家族のことをすごく大事にして自分のことを犠牲にしてでもって感じがとても良いなあ」「自ら龍神様の生け贄になるひまりの度胸よ。紫と龍神様の対話の架け橋になってて今回も見事な活躍」といった感想が挙がった第6話。危険をおかしたひまりに、「あとでたっぷりお仕置きだ」と鵺が“顎クイ”する胸キュンシーンも反響を呼んだ。様々なトラブルに見舞われる日々の中で、どんどん深まっていくひまりと葵の関係からも見逃せない。 ■文/苫とり子