#03 見捨てられた傷痍兵
西アフリカに位置する小国リベリア。この国で断続的に14年も続いた内戦は、多くの負傷者を生み出した。 前線で戦っていた兵士たちも、その例外ではない。モーゼスは当時の大統領チャールズ・テイラー側の政府軍兵士として戦い、左足を失った。しかし、内戦が終わってしまえば、彼らはただ忘れられた存在になった。
「俺たちはリベリアのために戦ったのに、戦争が終わったら見捨てられたのさ」政府からの補償はおろか、誰からの助けも無く、ホームレス同然の暮らしを続ける彼は、諦めたようにつぶやいた。