hontoコミック担当・荻野晶さんの「いま人に薦めたい愛読マンガ」7冊「ふたりの関係を見守っていたい…!」
人生で思わず夜ふかしして読んでしまったマンガは?
◆『嘘喰い』迫稔雄/集英社 銀髪にオールバックの青年、「嘘喰い」の異名を持つギャンブラー斑目貘を中心に、賭博倶楽部「賭郎」を介したギャンブルの世界を描く。 「一度読み始めると止められないタイプのため、頻繁に夜ふかしして読んでしまうのですが、『嘘喰い』を読み始めたら全然止め時がわからず、先が気になり過ぎて、ほぼ寝ずに一気読みしてしまったことがあります(全49巻)。今同じことをするのは体力的に厳しいだろうと思いますが、当時は読みたい欲>睡眠欲で、欲望のままに読んだあと、満ち足りた気持ちで爆睡しました。嘘喰いワールドから抜け出せずに変な夢を見て、翌日寝坊しかけましたが、それもまた良い思い出です」
荻野晶さんの「マンガを読むときのマイルール」
「本当に好きなマンガは電子と紙、両方で購入します。好きなマンガは紙で欲しいのですが、早く読みたくて0時を超えると電子で先に買ってしまうのです……。電子で買っておくと、出先で読めたり、友人にすすめたり、結果いろいろと便利なので買って後悔はありません!」
今、最も注目している新人作家とその作品は?
◆『ブブとミシェル ~雨上がりの天使~』コドモペーパー/トゥーヴァージンズ 堕天使が落ちてくる裏山で食材を探して散策していた少年・ミシェルは、死骸の中から卵を見つける。生まれてきた堕天使・ブブの寿命は1週間。最期まで見届けようとする孤独な少年と奇跡の物語。 「両親を病で亡くし、心に深い傷を負ったミシェルと、無邪気な堕天使・ブブによる愛と絆の物語。コドモペーパー先生の絵柄と、この作品全体を流れる空気感が大好きです。かわいく奇妙で切なくて、読んでいると胸がギュッとなります。忘れかけていた大切な何かを思い出させてくれるよう。大人にこそ読んでほしいおとぎ話のような作品です」
2024年食欲の秋におすすめのグルメマンガは?
◆『空挺ドラゴンズ』桑原太矩/講談社 空飛ぶ船捕龍船「クィン・ザザ号」に乗り、宙を舞う龍を狩る狩人「龍捕り」たちの旅を描くファンタジー。異世界グルメものとしても楽しめるマンガ。 「空と龍に魅せられた乗組員たちの冒険譚でありながら、おいしそうな龍料理が出てくるグルメマンガでもあります(実際食べることはできないのですが……食べてみたい龍料理)。毎回表紙がものすごく美しいので手に取る度に感動します。はじめは絵に惹かれ読み始めましたが、おいしそうな料理、徐々に掘り下げられるキャラクター、ファンタジーの中にあるリアル。好きが詰まった作品でした!」