印象的な「東京タワー」のジャケット作品がしりたい!
インターナショナルオレンジを基調とし、東京スカイツリーに抜かれるまで自立式鉄塔として約51年間日本一の高さを誇った東京のランドマーク、東京タワー(正式名称は日本電波塔)。1958年12月23日に完成したことを記念して、12月23日は「東京タワー完成の日」に制定されています。 音楽シーンにおいても、曲名や歌詞などに数多く用いられ、今もなお東京のシンボルとなっている東京タワーですが、インターナショナルオレンジと白を交互に配色した鮮やかな塗装と美しいフォルムは、多くのジャケットヴィジュアルにも採用されています。そこで「東京タワー完成の日」にちなんで、“東京タワージャケ”をいくつか紹介していきましょう。 リリー・フランキーの小説を原作にオダギリジョー主演で描いた映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』。主題歌は福山雅治が歌った「東京にもあったんだ」でしたが、音楽を担当した上田禎が『「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」オリジナル・サウンドトラック』を発表しています。 フジテレビ系“月9”枠にて速水もこみち主演の同原作のドラマ版が放送されましたが、そのサウンドトラック『「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」オリジナル・サウンドトラック』を発表したのが、『医龍』『進撃の巨人』『キングダム』などのシリーズの音楽で知られる澤野弘之と、ピチカート・ファイヴ、中島美嘉、モーニング娘。、SMAP、RIP SLYMEほかさまざまなジャンルのアーティスト作品へ関与している河野伸という、『医龍』シリーズでもタッグを組んでいる二人。映画版サントラのジャケットは、青地にイラストで東京タワーが描かれていましたが、“月9”ドラマ版サントラでは、雲一つないまっさらな青空を背景にした東京タワーの上部が切り取られた写真を用いていました。 “フラカン”の愛称で知られるフラワーカンパニーズは、2003年にその名も『東京タワー』というアルバムをリリース。タイトル曲として「東京タワー」が収録されています。ジャケットには、鮮烈な赤地に躍動感あふれるタッチで下から見上げた東京タワーが描かれています。 2008年に開業50周年を迎えた東京タワーの“公式応援ソング”として、同年のクリスマスイヴに石野真子がシングル「東京タワー」を発表。同曲の作詞を手掛けた326(ミツル)が、ジャケットのイラストを描き下ろし。部屋の明かりが灯った街並みと夜空に煌めく星たちをバックに、温かい光に包まれた東京タワーを描いています。 「TEENS' MUSIC FESTIVAL 2000」全国大会優勝の経歴を持つ3人組バンドの“坊っちゃん”は、2009年に1stミニ・アルバム『東京タワーにのぼって』を発表。青空に映える東京タワーをジャケットにしているのは“月9”ドラマ版サントラと同様ですが、東京タワーが右下に配されているドラマ版サントラとは異なり、『東京タワーにのぼって』のジャケットでは中央に堂々とそびえたつ東京タワーが印象的なものとなっています。 『ラブ ジェネレーション』『ロングバケーション』などのドラマの名シーンを彩った楽曲を、DAISHI DANCEや瀧澤賢太郎などのハウス・シーンで活躍するDJ / アーティストたちのアレンジで仕上げた、DRAMATIC CREW名義によるコンピレーション・アルバム『DRAMATIC LIFE』のジャケットにも東京タワーが登場。人気の東京タワー撮影スポットのひとつとして知られる、桜田通り(国道1号)から望む夜の東京タワーを、車の光線とともにとらえています(ちなみに、同シリーズ第2弾『DRAMATIC LIFE 2』では駒形橋前からの東京スカイツリーをジャケットに採用しています)。 コンピレーション・アルバムでは、2015年に東京をテーマにした『東京スタイル』がリリースされました。スガ シカオ「TOKYO LIFE」を皮切りに、ゴスペラーズ、椎名林檎、槇原敬之、くるり、佐野元春、YMO、電気グルーヴ、中原理恵、井上陽水などの東京にまつわる楽曲が収められており、モノトーンの街並みに、東京タワーと太陽(日の丸)を模したロゴマークがヴィヴィッドな赤色で描かれた、シンプルながらも目を惹くジャケットとなっています。 このほかにも、2020年のクリスマスに発表された松原里佳のアルバム『東京タワー。』では、夜の東京タワーを見上げた写真を、2024年発表の浜田ケンジのアルバム『東京タワー』では、東京タワーを局地的にとらえたイラストを、それぞれジャケットに採用。変わり種としては、ミッツ・マングローブが2018年にリリースしたシングル「東京タワー」のジャケット。実際の東京タワーはなにひとつ描かれていませんが、けだるい表情の顔の前で組んだ両腕の形が、どことなく東京タワーのフォルムに似せたものとなっています。 2024年に放送された永瀬廉(King & Prince)主演によるドラマ『東京タワー』の音楽を担当した、近谷直之が『テレビ朝日系オシドラサタデー「東京タワー」オリジナル・サウンドトラック』を発表。白地に淡い暖色の東京タワーがぼやけている、儚げでもありぬくもりも感じるロマンティックなデザインのジャケットとなっています。 最後は、2018年に野宮真貴がリリースした『野宮真貴 渋谷系ソングブック』(写真)を紹介しましょう。野宮の“渋谷系を歌う。シリーズ”5作品からセレクトされたベスト・アルバムで、ミュージック・ビデオで登場した東京タワーの印象も強いピチカート・ファイヴの人気曲「東京は夜の七時」ほかを、クレモンティーヌ、鈴木雅之、カジヒデキ、クレイジーケンバンドらとのコラボレーションでコンパイル。本作で新録された「東京は夜の七時」は、野宮と少林兄弟とのコラボレーションによるもので、2018年に開業60周年を迎えた「東京タワー開業60周年記念ソング」にもなりました。ジャケットは、野宮が「東京で一番好きな場所」と公言する東京タワーをコンセプトに、“渋谷系ビジュアル・マエストロ”の信藤三雄が手掛けています。ドレスのスカートの裾をつまみながら、東京タワーに登っている野宮をモノクロで表わした、斬新で洒脱なものとなっています。